本記事にはプロモーションを含みます。
「90を切れないのは、グリーンまわりのせいだ」
ボビー・ジョーンズは、そう断言しています。
1930年代のゴルファーです。弾道測定器もハイスピードカメラもない時代に、彼は自分の感覚と観察だけでゴルフを語りました。
正直に言えば、最初に読んだときは半信半疑でした。ただ、心当たりがありすぎたのも事実です。
私の練習は、長いあいだドライバー中心でした。いい当たりが出れば気分はいい。しかしそれがスコアに貢献していたかというと、怪しいところです。
この本を最初に読んだのは10年以上前で、当時ブログに感想を書いていました。今回あらためて読み返して思ったのは、彼の主張の多くは、いまなら数字で確かめられるということです。
この記事では、この本から特に検証したい4つの主張を取り上げます。そして今後、手元の弾道測定器で実際に測っていきます。
ボビー・ジョーンズとは何者か
知らない方のために、簡単に紹介します。
- 1902年生まれ、アメリカのゴルファー
- 1930年、全英オープン・全米オープン・全英アマ・全米アマの4大タイトルを同一年に制覇(当時のグランドスラム)
- その偉業を達成した年、28歳で競技から引退
- 生涯アマチュアを貫いた
- 後にオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブを設立し、マスターズを創設
つまり、史上最も強かったアマチュアです。プロにならないまま頂点に立ち、頂点で辞めた。ゴルフ史でも特異な存在です。
そして重要なのは、彼が教えることにも長けていたという点です。名選手が名指導者とは限りませんが、ジョーンズの文章は驚くほど分かりやすい。
検証したい主張1|「90を切れない原因はグリーンまわりにある」
ジョーンズの主張
ある程度の期間ゴルフを続けていながら90を切れないなら、その原因はショットの飛距離ではなく、グリーン周辺のアプローチとパッティングにある——彼はそう指摘しています。
なぜ検証したいのか
冒頭に書いたとおり、私の練習時間の配分はドライバーに偏っていました。
しかし考えてみれば、1ラウンドでドライバーを持つのは多くても14回です。一方、パットは30回前後打ちます。打数の比重がまるで違う。
それでも練習場ではドライバーを振ってしまう。気持ちよさで練習内容を選んでいたわけです。
どう検証するか
GPSウォッチ(Garmin Approach S70)のラウンドデータを使います。
- 1ラウンドのスコアを、ティーショット/セカンド/アプローチ/パットに分解する
- 複数ラウンド分を集計し、どこで最も打数を失っているかを特定する
- 「もしアプローチとパットが平均的だったら、スコアはいくつになるか」を逆算する
これなら、感覚ではなく実データで答えが出ます。
検証したい主張2|「コントロールは距離よりはるかに重要」
ジョーンズの主張
飛距離を伸ばすことより、狙ったところに運ぶことのほうがずっと大切だと、繰り返し述べています。
なぜ検証したいのか
これは現代のゴルフ理論と、一部でぶつかります。近年は「飛距離こそ正義」という考え方が強く、ツアーレベルでは飛距離の優位性がデータで示されています。
では、アマチュアレベルではどうなのか。
私の実感としては、飛んだ日ではなく曲がらなかった日にスコアが良いという印象があります。ただしこれは印象にすぎません。だから測ります。
どう検証するか
弾道測定器で「飛距離の平均」ではなく「バラつき」を測ります。
- 各番手で20球以上打ち、キャリーの標準偏差と左右のブレ幅を記録する
- 平均飛距離が5ヤード伸びた場合と、バラつきが5ヤード縮まった場合で、どちらがスコアに効くかを比較する
平均値だけを見ていると見えないものがあります。 ここは数字で示せる領域です。
検証したい主張3|「90以上で回る人の大半は、打つのが早すぎる」
ジョーンズの主張
スコアが90を超えるゴルファーは、そのほとんどのショットで打ち急いでいる——かなり厳しい指摘です。
なぜ検証したいのか
これは反論できません。私は自他ともに認める早打ちです。
本人としては打ち急いでいるつもりはないのですが、要はせっかちなのだと思います。素振りもしない、ライも読まない、構えたらすぐ打つ。同伴者から「もう打つの?」と言われることもしばしばです。
100年前に指摘されていたことを、いまだにやっているわけです。
どう検証するか
スイングテンポと結果の関係を測ります。
- 通常のリズムで打つ/意識的にゆっくり始動する、の2条件で比較
- ヘッドスピード、ボール初速、ミート率(スマッシュファクター)、方向のブレを記録
- 「ゆっくり振ると飛ばなくなる」のか、それとも「ミートが良くなって結果的に飛ぶ」のか
ここは多くのゴルファーが体感的に知っていながら、数字を見たことがない部分だと思います。

検証したい主張4|「ロフトの大きいクラブほどコントロールが難しい」
ジョーンズの主張
グリーン周りでは、必要以上にロフトの大きいクラブを使うべきではない。ボールを止める必要がある場合を除き、より転がすシンプルなショットを選べ、という趣旨です。
なぜ検証したいのか
アマチュアはグリーン周りでとりあえずサンドウェッジを持ちがちです。私もそうでした。それが本当に不利なのかどうか。
私の予想
9番アイアンのようなロフトの立ったクラブのほうが、バラつきは小さいと予想します。
理由は単純で、ロフトが大きいほどフェースの上下方向のミスがそのまま距離のブレになるからです。転がすほうが変数が少ない。
最近、話題のバニラピッチのようにクラブをパターのように吊るして打つ転がしアプローチも8番や9番の方が、簡単にピンに寄る。
ただし予想が外れる可能性も十分あります。転がしは距離感を出しにくいという反論も成り立つので、実測が楽しみなところです。
どう検証するか
番手別に、同じ距離を打ったときのバラつきを測ります。
- 30ヤードのアプローチを、SW/AW/PW/9番で各20球
- キャリーの標準偏差と、総距離のバラつきを比較する
- どの番手が最も安定するかを数値で出す
この本をどんな人に勧めるか
技術書として読むなら、やや古めかしく感じるはずです。クラブもボールも当時とは別物になっているので、道具に関する記述はそのまま適用できません。
読み物として読むなら、いまでも十分に面白い。特に達人の心構えを語った部分は、100年経っても通じます。
勧めないのは、動画レッスンのように目から入る情報を重視する方です。この本は文章で読ませる本なので、相性があります。
正直に書くと、すぐにスコアを縮めたい人には向きません。 図解が豊富な現代のレッスン書のほうが即効性はあります。
この本の価値は別のところにあります。「なぜそうするのか」を考えさせられる点です。動作の手順ではなく、その背後にある理屈が書かれている。だから100年近く経っても読む価値が残っています。
ボビー・ジョーンズ 著/永井淳 訳『ゴルフのすべて』ゴルフダイジェスト社 (Amazon)
ゴルフの本は移動中に聴くのにも向いています。Audibleには30日間の無料体験があるので、合わなければ解約すれば費用はかかりません。
まとめ:これから測っていきます
100年前の経験知を、現代の道具で検証してみようと思います。
改めて、検証する4つの主張です。
- 90を切れない原因はグリーンまわりにある
- コントロールは距離よりはるかに重要
- 90以上で回る人の大半は打つのが早すぎる
- ロフトの大きいクラブほどコントロールが難しい
予想が当たっていても外れていても、そのまま書きます。 外れたときのほうが、読んでいて面白いはずです。
検証結果が出たら、この記事から順次リンクしていきます。
【出典】 ボビー・ジョーンズ 著/永井淳 訳『ゴルフのすべて』ゴルフダイジェスト社

コメント