10球なら268ヤード、1,000球なら319ヤード|自己最長飛距離が何でできているかを調べました

本記事にはプロモーションを含みます。
明け方の霜が降りたフェアウェイ。手前にゴルフボールがひとかたまりに散らばり、その先に1球だけ離れて置かれている

ガーミンの記録に、私のいちばん飛んだティーショットが残っています。

319.8ヤード。2024年2月17日、寄居カントリークラブの9番ホール、右グリーンです。私はこれを「320ヤード」として覚えていました。

この数字が何でできているのかを、6年分のデータで調べました。

目次

何のための数字なのかを、先に書いておきます

私はコースで番手を決めるとき、ガーミンの平均を見ています。最大値は見ていません。

それでも、人に聞かれるのは最大値のほうです。自分でも覚えているのは最大値のほうでした。平均が何ヤードだったかは、調べないと出てきません。

測定器を買うと、たいてい最初に見るのもここです。今日のベスト。自己ベスト。アプリはその数字を大きく表示します。

だから調べたのは、この1本が私の何を表しているのか、です。

使ったデータ

ガーミンのアカウントから、記録をまとめて書き出せます。その中に、ショット1本ごとのファイルが入っていました。18,047本。1本につき、クラブ、距離、打った地点と着地点の位置、ホール番号、時刻が入っています。

この記事で使うのは、そのうちドライバーの2,464本です。2020年11月3日から2026年7月25日まで、391ラウンド分。

OBにした球、アンプレヤブルにした球、ロストボールにした球は外してあります。ガーミン側にそのフラグが立っていて、統計からも外れる仕組みになっています。この選別は後でもう一度出てきます。

ガーミンの距離はGPSで測った打点から次の打点までなので、キャリーとランの合計です。キャリーだけを知りたくて別に測った話は、番手を4本使い分けても、ランはどれもキャリーの3割でしたに書きました。

320ヤードが出た日のスコアは、94でした

まず、その日の他のショットを見ました。

ホールドライバーの距離
1番265.3
2番200.3
5番227.4
7番243.8
9番319.8
10番236.4
11番199.7
16番233.3
17番245.1

9本打って、9番ホール以外の8本の平均は、6年間の平均より2.1ヤード短く出ています。

スコアは94でした。私の平均は91前後なので、良い日ではありません。

自己最長の1本は、良い日に出たものではありませんでした。

上位20本のうち、14本が9番ホールです

次に、飛んだ順に20本を並べました。上位5本だけ出します。

順位距離日付ホール
1319.82024年2月17日9番(右グリーン)
2319.32021年10月9日9番(左グリーン)
3315.02024年1月14日10番(左グリーン)
4313.82024年1月14日9番(左グリーン)
5312.12021年12月5日他コースの5番

20本のうち14本が、寄居の9番ホールでした。

寄居の9番は、右グリーンで522ヤード、左グリーンで510ヤードのパー5です。右グリーンで打ったドライバー58本は、9番以外の全ホールより26.0ヤード長く出ています。

長いホールだから、ではありません。同じ右グリーンの11番は534ヤードで9番より長いのに、ドライバーの平均は9番より約40ヤード短く出ています。

9番が下りだから、というのが私の見立てです。数字では確かめていません。ガーミンにはホールの高低差を出す機能がなく、あるのはグリーンの高低差だけです。

つまり私の最大値は、クラブの性能ではなく、ホームコースの特定の1ホールを何回打ったかを表していました。

凍ったフェアウェイのほうは、数字に出ていませんでした

この320ヤードについて、私は自分で理由を2つ挙げていました。下り傾斜と、2月の凍ったフェアウェイです。

下りのほうは、上に書いたとおり平均にも出ています。

凍ったほうは、出ていませんでした。

季節本数夏との差
12〜2月621−5.9ヤード
6〜8月629—

冬のほうが、平均では短く出ています。

その1本が2月だったことと、冬は転がるから飛ぶということは、別の話でした。私の説明のうち半分は、6年分のデータでは支持されていません。

本数が増えるだけで、最大値は伸びます

ここが、この記事でいちばん書きたかったところです。

同じ2,464本から、無作為に何本かを取り出して、その最大値を見ました。40,000回ずつ繰り返しています。

取り出した本数最大値(中央値)5〜95%
10268.3245.6〜302.5
25280.8260.8〜312.1
50290.3270.2〜315.0
100299.8280.4〜319.3
250309.7292.7〜319.8
500313.8301.2〜319.8
1,000319.3309.8〜319.8
2,464319.8—
折れ線グラフ。同じ2,464本から取り出す本数を10本から2,464本まで増やすと、その中の最大値の中央値が268.3ヤードから319.8ヤードまで上がっていく。薄い帯は5〜95%の範囲
本数が10本から2,464本に増えるだけで、最大値は51ヤード上がります。腕もクラブも変わっていません

取り出しているのは、どれも同じ2,464本の中からです。6年ぶんの上達も、クラブの入れ替えも、この抽選には入っていません。違うのは、何本を数えたかだけです。

10本しか記録していなければ、私の自己最長は268ヤードでした。1,000本で319ヤードです。51ヤードの差は、上達ではありません。

自己ベストを人と比べるとき、本数を揃えないと比べたことになりません。

平均のほうは、1本では動きません

同じデータで、逆をやりました。いちばん飛んだ1本を消します。

操作平均の変化最大の変化
いちばん飛んだ1本を消す−0.04ヤード−0.5ヤード
上位10本を消す−0.32ヤード−15.4ヤード

2,464本の平均は、1本消しても0.04ヤードしか動きません。

平均は本数で守られています。最大値には、その守りがありません。1本入るか入らないかが、そのまま数字になります。

ドライバー2,464本の飛距離のヒストグラム。平均233.5ヤードを頂点とした山があり、そこから右に離れた319.8ヤードの位置に矢印で自己最長の1本が示されている
山の真ん中が平均233.5ヤード。自己最長は、その山から離れたところにある1本です

書き出したデータでは、9番アイアンの最大は644ヤードでした

その「1本」が、実際に入っていました。

クラブ最大2位
9番アイアン644.1153.9
50度229.0138.8
56度149.1133.8

9番アイアンで644ヤードは飛びません。50度で229ヤードも飛びません。

アプリのクラブ距離の画面を見ると、9番アイアンの最大は154ヤードと出ています。2位のほうです。644ヤードは画面には出てきません。

同じ記録から、2つの最大値が出ています。画面のほうは外してあり、書き出したデータのほうには残っている。理由は分かりません。

644ヤードの1本は、打った地点も着地点も「不明」で記録されていました。その日の記録を開くと、何が起きたのかが見えます。

14番ホールに記録されているショット12本
うちドライバー3本
644ヤードの1本12本目

1つのホールでティーショットを3回は打ちません。ホールの区切りが崩れて、いくつかのホールが1つにつながって記録されています。

こういう記録が生まれる経緯は、だいたい分かっています。

私が回るコースには、1つのホールにグリーンが2つあるところがあります。時計にはその日どちらを使うかを設定しておくのですが、コンディションの都合で1ホールだけ別のグリーンになることがあります。ホール単位で設定を変えられるので、気づけば直せます。忘れると、時計はそのホールのグリーンを認識できないまま、ホールアウトしたことにします。

そうなると、次のホールが前のホールの続きとして記録されることがあります。前のホールのどこかから、次のホールのどこかまで。それが1本のショットとして残ります。

直すなら、その日のうちでした

ラウンドのあとで、そういうホールのショット履歴は消しています。それでも、たまに残ります。

本当は、距離のおかしなものを全部消したい。しかしながら、日が経つと、どれが異常だったのかが分からなくなり消し込みができなくなります。

644ヤードなら、見ればおかしいと分かります。アプリの画面からも外れています。

分からないのは、そこまで極端ではないほうです。いま画面に出ている154ヤードが、本当に打った球なのか、記録のずれなのか。何年も経ってからでは、判断がつきません。なぜならカートパスに当たったなどのケースもあるからです。そして、そちらは画面に残ります。

当日か、せめて翌日までに処理しないと、番手ごとの最大値に変な数字が残ります。ラウンド数が増えると、まず見つかりません。391ラウンドのどこかに1本ある、という状態になります。

私は前に、おかしな数字はあとからアプリで直せる、とゴルフのデータは、後から作れませんに書きました。

直せます。ただし期限つきでした。

そして平均のほうは、こうなっても動きません。書き出したデータで9番アイアンの平均を出すと、644ヤードが入ったままでも1.2ヤードしか上がっていませんでした。50度のほうは0.3ヤードです。

平均を見ているかぎり、この1本は見えません。最大値のところにだけ、まるごと出てきます。

OBを数えるかどうかで、348ヤードにもなります

もうひとつあります。

ガーミンが統計から外している球のなかに、300ヤードを超えたものが6本ありました。いちばん長いのは347.8ヤードです。

6本とも、ティーショットでOBになった球でした。

OBのあとは前進4打の地点から打ちます。記録の上では、ティーからその地点までが1本のショットになります。だから300ヤードを超えます。そこまで飛んだわけではありません。

前進の位置によっては、そこから打つ次の1本が300ヤードを超えることもあります。

同じデータから、私の自己最長は319.8ヤードにも347.8ヤードにもなります。9番アイアンのときと同じで、どこまでを数えるかで数字が変わります。決めているのはクラブではなく、集計する側です。

60度の最大が77ヤードなのは、安定しているからではありません

最後に、逆向きの例をひとつ。

クラブ本数最大−平均
ドライバー2,46486.4ヤード
7番アイアン56145.1ヤード
60度3030.9ヤード

60度が、いちばん狭く見えます。

60度は6年で30本しか打っていません。狭いのは、そのせいです。

数字が良く見えたときに、まず疑うのはここでした。ばらつきが小さいのか、それとも回数が少ないだけなのか。

持ち帰れること

自分の「最高記録」を見るときに、私がこれから確かめる4つです。

何本の中の最高記録か。10本の最高と1,000本の最高は、別の数字です。測定器のアプリが出す自己ベストも、使った回数で伸びます。

どこで出た記録か。同じホール、同じ打席、同じ日に集まっているなら、それは腕ではなくそこの数字です。

その記録を何に使うか。番手選びには使いません。平均のほうを使います。

そして、直すならその日のうちに。自動で貯まる記録のいちばん弱いところは、間違いも自動で貯まることでした。平均は本数が守ってくれます。最大値は守ってくれません。

最大値が無意味だと言いたいわけではありません。覚えているのも、人に話すのも、たいてい最大値のほうです。ただ、比べる道具としては弱い、ということです。

同じことが、パットのほうでも出ました。入れたいパットのために替えて、効いたのは遠いパットのほうでしたでは、パット数がパッティングの巧拙ではなく、どこから打ち始めたかを表していました。買った理由と、効いたところも逆でした。

この記事で確かめていないこと

9番ホールの下りが何メートルあるかは、分かりません。ガーミンにホールの高低差を出す機能はなく、あるのはグリーンの高低差だけです。

2月17日のフェアウェイが実際に凍っていたかは、記録がありません。私の記憶だけです。

644ヤードの1本が、実際にはどこからどこまでだったのかは、分かりません。ホールがつながっていることまでは見えますが、どの1打だったのかは5年前の話です。

この記事で使っている機材

6年つけているGPSウォッチです。この記事の数字は、すべてこの1台に貯まったものです。

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この記事を書いた人

ゴルフ歴25年、自己ベスト78。2012年からゴルフの上達法をブログに書いてきました。
同時期に読書ノートのブログも運営し、約200冊分の記録を残しています。

現在は弾道測定器3台を使い、本で読んだ理論を実際に測って確かめる作業をしています。

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