番手を4本使い分けても、ランはどれもキャリーの3割でした

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番手を4本使い分けても、ランはどれもキャリーの3割でした

アプローチのキャリーとランの関係を、体で覚えたいと思っていました。番手ごとに転がる量が違うはずなので、その違いを4本ぶん覚える。そういうつもりで測りました。

覚えることは、1つしかありませんでした。

サンドウェッジ、アプローチウェッジ、ピッチングウェッジ、9番アイアン。フルスイングの4分の1くらいの振り幅で、20球ずつ、合わせて80球。ランをキャリーで割った値は、順に0.30、0.29、0.30、0.35です。

番手を替えても、ほとんど動きません。

4本のキャリーとランの内訳。ランをキャリーで割った値はSW0.30、AW0.29、PW0.30、9I0.35
クウォーターショット各20球の平均。濃い側がキャリー、薄い側がラン。
目次

打った条件

自宅の6畳の練習部屋です。ネットに向かって打っています。部屋の作りと置いてある器具は自宅6畳でゴルフ練習はどこまでできるかに書きました。

計測はSquare Golf Omni。ボールの横に置いて、真横から撮るカメラ式の弾道測定器です。この部屋に置けたのは、後方に距離が必要ないからでした。

ボールは計測範囲の中央に置きました。Omniを入れた初日の記事では、位置は固定していない、前後で試してから印をつけるか決める、と書いています。その後で四隅を測って、中央だけは全項目が取れることが分かったので、今回はそこに揃えました。

そのほかの条件は、2回目に測ったときと同じです。球は白に統一、目標線はアライメントスティックで合わせています。

打ったのは朝の5時35分から5時49分まで。4本を続けて、各20球。うまく打てなかった球も削っていません。

マットには黄色いL字のマーカーを貼ってあります。スタンスとボールの位置を毎回同じにするために貼ったものです。今回は4本ともこのマーカーのまま打ちました。替えたのはクラブだけです。

計測範囲の中央に置いたボールと、横に設置したSquare Golf Omni
ボールは黄色いマーカーの中央。Omniは真横に置いています。

1つ先に断っておきます。サンドウェッジだけは練習用の古いクラブで、ラウンドで使っている56度とは別物です。他の3本はバッグに入っているものです。後で効いてきます。

この練習用のサンドウェッジは、後日バッグの56度と並べて打ち直しました。前に使っていた56度と、今の56度を、同じ日に40球ずつ打ちましたに書いています。

今回打った4本。左から9番アイアン、ピッチングウェッジ、アプローチウェッジ、サンドウェッジ
今回の4本。左から9番アイアン、ピッチングウェッジ、アプローチウェッジ、サンドウェッジ。いちばん右のサンドウェッジだけ、練習用の古いものです。

出た数字

各20球の平均です。距離はヤード。

SWAWPW9I
ロフト(度)56504641
キャリー9.211.816.119.1
ラン2.83.44.86.6
総距離12.015.220.925.7
ラン ÷ キャリー0.300.290.300.35
打ち出し角(度)34.331.729.526.8
着地角(度)35.433.331.629.1
スピン量(回転/分)2296273127962694

80球をまとめると、キャリーは総距離のおよそ4分の3でした。番手ごとに見ても74%から78%の間に収まります。

レッスンでよく紹介される目安は、サンドウェッジで1対1、ピッチングウェッジで1対3、9番アイアンで1対4といった数字だと思います。私の球はどれも1対0.3でした。

厳密には、9番アイアンの0.35だけは他の3本より高く、20球でも差として認められる水準です。それでも1対1には遠い。

転がらない理由は着地角です

球が転がるかどうかは、落ちてくる角度で決まります。浅い角度で入れば転がり、立った角度で入れば止まる。

4本の着地角は35.4度、33.3度、31.6度、29.1度でした。いちばん開きがあるサンドウェッジと9番アイアンの間でも、6.3度しか違いません。

80球の着地角とラン比の分布。着地角は35.4度から29.1度までしか動かない
80球すべて。横線は各番手の平均。

打ち出し角も同じです。34.3度、31.7度、29.5度、26.8度。こちらは7.5度の幅です。着地角は計算で出した値ですが、打ち出し角はカメラが直接測っています。

理由はクラブ側の数字に出ていました。

SWAWPW9I
ロフト56504641
ダイナミックロフト43.940.137.433.8
差12.19.98.67.2
単位は度。クラブのデータが取れた76球の平均。

ダイナミックロフトは、当たった瞬間にフェースが上を向いていた角度です。手をボールより前に出して打てば、ロフトはその分だけ立ちます。

クラブのロフトは56度から41度まで、15度の開きがあります。ところが当たった瞬間の角度は43.9度から33.8度で、10度ぶんしか違いません。ロフトの大きい番手ほど手が前に出ていて(サンドウェッジ12.1度、9番アイアン7.2度)、その差ぶんが打ち消されています。

同じ位置に置いて、同じ振り方で、クラブだけ替える。それで出てくるのは、同じ球の長さ違いでした。

ボール位置を固定したまま打ったからです

ここは自分で仕込んだ問題でした。

マットのL字マーカーは、球のばらつきを減らすために貼ったものです。毎回同じ場所に立って、同じ場所に球を置く。鏡に貼った基準線と同じ発想で、条件を固定するための道具です。

番手で球を打ち分けるというのは、その逆をやることです。球を右に置いて手を前に出せば低く出て、着地角が下がって転がる。左に置けば高く上がって止まる。打ち分けは、まさにその固定を崩す作業です。

私はマーカーを貼ったまま4本を打ちました。番手別のランを測るつもりで、番手だけ替えた同じ球を80球打っていたことになります。

この80球には、もう1つ揃っていたものがあります。曲がりの向きです。79球が左回転でした。

距離がずれる原因は、ランではなくキャリーです

もう1つ、当初の狙いに響く数字が出ています。

キャリーのばらつき(標準偏差)は1.31、1.69、2.03、2.17ヤード。ランのばらつきは0.59、0.30、0.48、0.66ヤードでした。

キャリーのばらつきとランのばらつきの比較。ランはどの番手も1ヤードに届かない
各20球。ランのばらつきは、どの番手も1ヤードに届きません。

ランのばらつきは、どの番手も1ヤードに届きません。総距離のばらつきを分解すると、半分から8割はキャリー側から来ています。

キャリーとランの関係をどれだけ正確に覚えても、実戦で距離がずれる分はほとんど減りません。減らしたければ、キャリーを揃えるしかない。

私が身につけようとしていたのは、効きの薄いほうでした。

ちなみにガーミンのGPSが記録している距離は、キャリーとランを足した数字です。ラウンドのログをいくら眺めても、この2つは分けられません。分けるには、打った瞬間を測る機械が必要でした。

実際に出た幅

各20球の総距離の実測値です。

平均最短最長幅
SW12.08.615.87.2
AW15.212.318.96.6
PW20.916.925.18.2
9I25.720.228.68.4
単位はヤード。

サンドウェッジの20球のうち、10球はアプローチウェッジの最短より長く飛んでいます。ピッチングウェッジの20球のうち、12球は9番アイアンの最短より長い。

平均で見れば4段の階段になっていますが、1球ごとに見ると隣とかなり重なります。

サンドウェッジだけ球が揃いません

打ち出し角のばらつきは、サンドウェッジだけ4.5度でした。他の3本は1.3度から1.6度です。

スピン量も、サンドウェッジは1161から3618まで出ています。幅にして2457回転。他の3本は1200回転から1300回転の幅に収まります。

この球の揃わなさが何のせいなのかは、2日後に2本を並べて打って調べました。ヘッドスピードではありませんでした。前に使っていた56度と、今の56度を、同じ日に40球ずつ打ちましたに書いています。

スピン量の平均も、いちばんロフトの大きいサンドウェッジがいちばん少なくなりました。56度のクラブが、41度より回っていません。

ここで冒頭の但し書きが効いてきます。このサンドウェッジは練習用の古いクラブで、他の3本と同じ土俵には置けません。フェースの状態も使用歴も違います。だから、この暴れ方をバッグに入れている56度の性能として読むことはできません。

原因は特定できていません。古いフェースの溝、ヘッドスピードが4本でいちばん遅いこと(サンドウェッジ9.3、9番アイアン11.7メートル毎秒)、どちらも候補です。どちらも確かめていません。

ただ、キャリーのばらつきを平均に対する比率で見ると、4本とも11%から14%に収まります。球の出方は暴れているのに、距離は他と同じくらいには揃っています。

この数字が使える範囲

いくつか、そのまま持ち出せない部分があります。

ランは実測していません。Omniは横からボールとヘッドを撮るカメラで、飛んでいく球は追っていません。ネットに向かって打っているので、球はどこにも落ちていない。

カメラが直接見ているのは、初速、打ち出し角、打ち出し方向、スピン量までです。着地角もキャリーもランも、そこから計算した値になります。

転がる地面の想定もOmni側の設定に従っています。グリーン面を転がる話ではありません。硬い花道ならもっと転がるはずです。

打っているのは自宅の人工芝マットです。ライは毎回完璧で、芝に沈むこともありません。

サンドウェッジだけ、バッグに入っているクラブではありません。ラン比が3本と揃ったこと自体は変わりませんが、この56度の数字を私のウェッジの評価として読まないでください。

数字はどれも私の球と私の打ち方のものです。考え方は流用できますが、値は自分で測り直してください。

クラブ側のデータは、80球のうち4球で取れませんでした。弾道側は80球とも取れています。取れなかった球は平均の計算から除かれるので、項目によって母数が違います。

次にやること

低く出す打ち方で測り直します。球を右に置いて手を前に出す。着地角が下がれば比が動くはずで、そこで初めて番手ごとの違いが出てきます。今回のデータは、その比較相手になります。

この低く出す打ち方は、2日後に測りました。着地角は21.8度まで下がっています。ただし距離帯がまったく違うので、この記事の80球とは比べられません。まっすぐ引いてまっすぐ打ったら、左に曲がる癖が消えました

グリーン面での転がりは、別に測る必要があります。着地角が同じでも、地面が変われば転がりは変わります。

クラブをパターのように立てて、トゥで当てる転がしアプローチも試すつもりでした。今回の80球が、その基準になります。

4本ぶん覚えるつもりで測りました。覚える数字は、0.3の1つで足ります。

この記事で使ったキャリーとランは、どちらも測定器が計算で出している数字です。その計算の中身は、測定器のキャリーは、設定で増減できる数字でしたで確かめました。ここで打った80球も、その材料に使っています。

キャリーもランも計算値だという但し書きは、あとから3台の測定器を並べたときにも当てはまりました。弾道測定器を3台並べたら、3台とも補正が掛かっていましたに書いています。

この80球は、あとで別の突き合わせにも使いました。体を8タイプに分ける本のタイプ別の記述と、同じ80球のクラブの数字を並べています。体のタイプ診断と、80球の答え合わせに書きました。

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この記事を書いた人

ゴルフ歴25年、自己ベスト78。2012年からゴルフの上達法をブログに書いてきました。
同時期に読書ノートのブログも運営し、約200冊分の記録を残しています。

現在は弾道測定器3台を使い、本で読んだ理論を実際に測って確かめる作業をしています。

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