パターが3本あります。L.A.B. Golf の DF3、Roddio の B-Tuning、Fuso Dream の SP-005 です。
前に、6年分のラウンド記録でこの3本を比べました。そのときはラウンド単位のパット数しか無かったので、言えることが限られていました。
入れたいパットのために替えて、効いたのは遠いパットのほうでしたに書いています。
今回は室内の計測器で、1球ずつ測りました。2日間で175球です。
分かったのは3本の差ではありませんでした。数えていた数字のほうの話です。
使ったのは、カメラで見る計測器です
Square Golf の Omni を使いました。普段はショットを測っている機械ですが、パッティングの練習モードがあります。
1球ごとに4つの数字が出ます。
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| ボール速度 | インパクト直後の速さ(メートル毎秒) |
| 打ち出し方向 | 目標線に対して右か左か(度) |
| トータル距離 | 転がった距離 |
| 残り距離 | カップまでの残り |
4つに見えますが、独立しているのは上の2つだけです。トータル距離は、ボール速度と設定したグリーンの速さから機械が計算しています。残り距離はその裏返しです。
この機械が画面に出す数字が、必ずしも測った値ではないことは前にも書きました。測定器のキャリーは、設定で増減できる数字でした。
打点は出ません。設定を探しましたが、項目そのものがありませんでした。
グリーンの速さは9、傾斜はフラットに固定しました。傾斜の初期設定は起伏ありになっていて、これに気づかずに打った日のデータは使えませんでした。同じボール速度の球が、通った線によって1ヤード近く違う距離を転がっていたためです。
1日目は2ヤードで75球打ちました
3本を25球ずつです。DF3に替えた理由が、入れたいと思った短いパットだったので、まずその距離にしました。
結果は、75球とも残り距離0.0でした。全部入ったことになります。
差が出ません。
結果の欄だけが、動かなくなっていました
入力のほうは動いていました。
| ボール速度の平均 | 幅 | |
|---|---|---|
| DF3 | 1.85 | 1.6〜2.1 |
| Roddio | 1.97 | 1.7〜2.1 |
| Fuso | 1.92 | 1.8〜2.0 |
ボール速度には0.5の幅があります。打ち出し方向にも差がありました。それなのに、記録に残った結果は75球とも同じです。
カップに近づくと、この機械は入ったことにします。強すぎたかどうかは見ていません。画面は毎球「入った」と出すので、弱く打つ理由がどこにもありませんでした。
あとで、ボール速度から転がる距離を出す式を作りました。カップに届かない強さで22球打って、当てはめたものです。初速1.4から3.1の範囲で、誤差は8センチに収まりました。
この式だと、2ヤードちょうどに止まる初速は1.37です。
| ボール速度の平均 | 転がる距離 | カップから | |
|---|---|---|---|
| DF3 | 1.85 | 3.09ヤード | 1.00メートル |
| Roddio | 1.97 | 3.42ヤード | 1.30メートル |
| Fuso | 1.92 | 3.28ヤード | 1.17メートル |
75球とも入ったことになっていますが、1メートル前後カップを行き過ぎる強さで打っていた計算になります。
強めに打った球は、だいたい入ったことになります。本物のグリーンで同じ強さなら、少し外れたときに弾かれるかもしれません。そこは確かめていません。
75球打って、手元に残ったのは同じ数字が75個です。
2日目は8ヤードにしました
距離を伸ばせば、カップに届かない球が出ます。そうすれば結果の欄が動きます。
100球打ちました。順番は DF3、Roddio、Fuso、DF3 です。
1本目と4本目が同じパターなのは、測定そのもののブレを見るためです。この2つの差より小さい差は、道具の差として読めません。
カップインした率は、24%から72%まで開きました
| カップイン | |
|---|---|
| DF3(1回目) | 6/25 |
| Roddio | 10/25 |
| Fuso | 7/25 |
| DF3(2回目) | 18/25 |
4回目だけ、飛び抜けています。
同じパターの1回目が24%で、4回目が72%です。この時点で、パターの差を見ている数字ではないことが分かります。

数える前に、届かなかった球を数えました
8ヤードに届かなかった球です。
| ショート | |
|---|---|
| DF3(1回目) | 17/25 |
| Roddio | 13/25 |
| Fuso | 14/25 |
| DF3(2回目) | 0/25 |
4回目だけ、1球もショートしていません。
ボール速度の平均も、そこだけ違いました。
| ボール速度の平均 | |
|---|---|
| DF3(1回目) | 3.22 |
| Roddio | 3.26 |
| Fuso | 3.22 |
| DF3(2回目) | 3.46 |
届かない球は入りません。4回目が入ったのは、4回目だけ届いていたからです。
届いた球だけで比べると、差はありません
カップまで届いた球の中で、何球入ったかを数え直しました。
| 届いた球 | そのうちカップイン | |
|---|---|---|
| DF3(1回目) | 8 | 6(75%) |
| Roddio | 12 | 10(83%) |
| Fuso | 11 | 7(64%) |
| DF3(2回目) | 25 | 18(72%) |
24%と72%の差が、消えました。どの組み合わせで比べても、偶然の範囲に収まります。

ただし、ここで球数が8球、12球、11球まで減っています。この球数では、差があったとしても分かりません。
何球あれば比べられるのかは、別に計算してあります。「替えてから良くなった」を確かめるには、何ラウンド必要かに早見表を載せました。
つまりこういうことです。入った率は、方向と強さを混ぜた結果です。混ぜたまま数えると強さのほうが勝ちます。強さを揃えようとして届いた球だけに絞ると、今度は球数が足りなくなります。
道具を比べる数字としては、使えません。
打ち出し方向のほうは、動いていました
入ったかどうかではなく、フェースがどこを向いていたかです。
| 平均 | ばらつき | |
|---|---|---|
| DF3(1回目) | 左0.29度 | 0.51 |
| Roddio | 左0.42度 | 0.73 |
| Fuso | 左0.42度 | 0.69 |
| DF3(2回目) | 左0.33度 | 0.37 |
同じパターの1回目と4回目を見ます。平均の差は0.045度でした。これは再現しています。
ばらつきのほうは0.51と0.37で、1.39倍の開きがありました。同じ道具でこれだけ動くということは、1.4倍より小さい差は読んではいけない、ということになります。
3本の優劣は書きません。1日目と2日目で順番が逆になっているからです。もう1セッション必要です。
そのセッションはやりました。8ヤードで275球です。3本のばらつきは別々に並び、いちばん狭かったのは DF3 でした。同時に、ここに書いた「1.4倍」という基準のほうが間違っていたことも分かりました。床があるのではなく、読める幅が球数で決まる、という話でした。
2ヤードで差が出ないのは、計算すれば分かることでした
打ち出し方向のずれは、距離に比例して横のずれになります。
| 打ち出しのずれ | 2ヤードで | 8ヤードで |
|---|---|---|
| 0.4度 | 1.3cm | 5.1cm |
| 0.7度 | 2.2cm | 8.9cm |
カップの半径は5.4cmです。
2ヤードでは、3本ともカップの半径の中に収まっています。入るのが当たり前で、差の出ようがありませんでした。8ヤードにして、ようやくカップからはみ出します。
打つ前に計算しておけば、1日目の75球は打たずに済みました。
持ち帰れること
入った、入らないは結果です。方向と強さの両方が混ざっています。混ざったまま数えると、強さのほうが先に効きます。
同じ道具で2回測る。1回目と4回目の差が、その日の測定のブレです。それより小さい差は、道具の差ではありません。
短い距離では差が出ません。角度のずれは距離に比例するので、比べたい差がカップからはみ出す距離を先に決めておく必要があります。
次にやること
打ち出し方向で3本を比べ直します。今回の球数では足りないので、1本あたり50球にします。
もうひとつ、2日間で気づいたことがあります。DF3は普通に地面に置くと、少し右を向きます。残りの2本は置いただけでスクエアになります。構えるときにそこを直せるかどうかで、打ち出し方向の平均が変わっているように見えます。
ただし1日目と2日目では距離も変えているので、まだ分けられていません。2ヤードに戻して25球打てば決まります。向きそのものはパターの向きを見る道具を、21回作り直しましたで見られるので、そちらも合わせて確かめます。
この記事で使っている道具
Omni という測定器そのものの話は、Square Golf Omni を6週間使って分かった、測っているもの・計算しているものにまとめました。

