体調はスコアに出るのか|341ラウンドとOuraリング5年半分のデータで答え合わせした

本記事にはプロモーションを含みます。

「今日は体が重い」と思った日は、やっぱりスコアが悪い。そう思っていました。

Oura リングを5年半つけています。ガーミンには2020年11月からのスコアが残っています。両方あるなら、答え合わせができます。

ガーミン側の話は、こちらにまとめました。

341ラウンド分を突き合わせました。結果は、思っていたものと違いました。

目次

「調子がいい」は、当たっているのか

私は自分の感覚を信じすぎるという弱点があります。前の記事で、いまだに直らないミスの3つ目として書きました。

インサイドから振れているつもりで振れていなかった。まっすぐ構えているつもりで右を向いていた。どちらも、道具で測って初めて分かったことです。

だとすれば、「今日は体調がいい」という感覚も疑ってみるべきです。

そしてこれは、測れます。

何をどう調べたか

使ったデータは2つです。

Oura リングの記録が、2021年1月13日から2026年8月1日までの1,861日分。Readiness スコア、睡眠スコア、安静時心拍、HRV(心拍変動)、睡眠時間などが日別に入っています。

ガーミンのスコアカードが、2020年11月3日から2026年7月25日までの415ラウンド分。ハーフだけの記録を結合して、391ラウンド日にまとめました。

このうち、両方のデータがそろっているのが341ラウンドです。

ひとつ注意点があります。Oura のスコアは、そのまま年をまたいで比べられません。私の Readiness スコアは2023年の初めに10点近く跳ね上がり、そのまま戻っていないからです。睡眠スコアは同じ時期にまったく動いていないので、体が良くなったわけではなく、Oura 側の算出方法が変わったと考えるのが自然です。

Ouraの Readiness スコアと HRV の四半期平均の推移。2023年初めに Readiness が一段上がり、以降戻っていない
Readiness は2023年初めに一段上がったまま戻りません。同じ時期、HRV はむしろ下がり続けています。

そこで、この記事の数字はすべて「その日の値 − 直近30日の自分の中央値」で計算しています。絶対値ではなく、普段の自分からどれだけずれたか。これなら2021年のラウンドと2026年のラウンドを同じ土俵に乗せられます。

もうひとつ、データに穴があります。2023年の1月から5月まで、別のGPSウォッチを試していた時期があり、この5か月のラウンドはガーミンに残っていません。実際には回っているのに「回っていない日」として扱われてしまうので、比較の精度が落ちます。

この期間を丸ごと除いて計算し直したところ、結果はむしろはっきりしました(安静時心拍の差が+3.04から+3.16へ)。つまりこの穴は、結論を甘くする方向にしか効いていません。以下の数字は、穴を含んだままの控えめなほうを載せています。

結果1:体調は、スコアに出ませんでした

先に結論を書きます。

ラウンド当日の朝の数値と、その日のスコアには、ほとんど関係がありませんでした。

当日朝の指標スコアとの相関
Readiness スコア−0.06
安静時心拍+0.03
HRV−0.13
睡眠スコア+0.02
睡眠時間+0.01

相関係数は −1 から +1 までの値をとり、0 は「無関係」を意味します。並んでいるのは、ほぼ0です。

調子のいい日と悪い日で、0.7打

もう少し分かりやすい形にします。

341ラウンドを、当日朝の Readiness が良かった順に並べます。上位25%(85ラウンド)と下位25%(94ラウンド)で、平均スコアを比べました。

  • 調子が良かった日:90.8
  • 調子が悪かった日:91.5

差は0.7打です。しかもこの差は、統計的には偶然の範囲に収まります。

コースの難易度が混ざっているせいかとも思い、ホームコースの寄居カントリークラブだけに絞ってみました(158ラウンド)。

  • 調子が良かった日:92.8
  • 調子が悪かった日:92.5

今度は逆転しました。もちろん、これも誤差の範囲です。

Readiness の絶対値で区切っても同じでした。70以下の日が91.8、85以上の日が90.9。5年半、あらゆる体調で回って、差は1打未満です。

いちばん体調が悪かった日に、82で回っていました

個別に見ると、もっとはっきりします。

2022年7月18日。その朝の Readiness は61で、普段より11.5点も低い日でした。かなり悪い部類です。この日のスコアは82。私にとっては良いほうのラウンドです。

2021年10月28日。Readiness 60、普段より10点低い。スコアは82。

逆もあります。2024年12月8日、Readiness 89。5年半でもかなり良い朝です。この日のスコアは102でした。

自己ベストに近い78を出した2022年7月3日の朝は、Readiness 81。良くも悪くもない、ごく普通の日です。

蜂窩織炎で歩くのも辛かった日も、その年のベストタイで回っています。その話は足の記事に書きました。

前日もラウンドしていた日も、変わりません

連チャンで回った33ラウンドと、単発の307ラウンドを比べました。

平均スコアは、どちらも91.4でした。差は0.0打です。

結果2:それでもラウンドは、体に確実に効いていました

ここからが、私にとって意外だった部分です。

スコアには出なかった一方で、ラウンドが体に与える負荷は、これ以上ないほどはっきり出ました。

ラウンドの翌日、普段と比べてこうなります。

翌日の指標普段との差
Readiness スコア−7.3点
安静時心拍+3.0 bpm
HRV−9.2 ms
睡眠時間+17分
睡眠スコア+1.6点

341ラウンド分の平均です。統計的にも、偶然では説明できない差でした。

よく寝ているのに、回復していない

この表でいちばん引っかかったのは、下の2行です。

ラウンドの翌日、私は普段より17分多く眠っていて、睡眠スコアもわずかに高い。よく寝ているのです。

それなのに、安静時心拍は3拍上がり、HRVは9も落ちている。

「疲れたからよく眠れた」と「回復した」は、別のことでした。ぐっすり寝られた翌朝に体が重いのは、気のせいではなかったわけです。

落ち込むのは、一晩だけ

ラウンドの2日後を見ると、安静時心拍は −0.5 bpm、Readiness は +0.7点。完全に元通りです。3日後も同じでした。

つまり、18ホール歩いた負荷は、必ず一晩で現れて、二晩目には消えている。これは5年半、ずっと同じでした。

なぜスコアに出ないのか

341ラウンドで関係が出ないなら、これは「関係が弱い」ではなく「関係がない」に近いと考えたほうがいいと思います。

なぜでしょうか。

いちばん納得がいく説明は、ゴルフのスコアのばらつきが大きすぎる、というものです。私のスコアは78から109まで、31打の幅があります。同じ寄居カントリークラブでも、85から104まで出ます。

このばらつきを作っているのは、体調ではなく、たぶん別のものです。1回のOB。池ポチャ。3パット。1ホールの大叩きで、簡単に5打変わります。

体調が仮に1打分の影響を持っていたとしても、この波にのまれて見えなくなる。それが341ラウンドの答えでした。

もうひとつ。ゴルフは4〜5時間かけて、自分のタイミングで打つ競技です。ランニングやテニスのように、体力が尽きたら明確にパフォーマンスが落ちるという種目ではありません。「体が重い」と感じても、球を打つ動作そのものは、そこまで影響を受けていないのかもしれません。

だとすると、私が「今日は体が重いから調子が出ない」と思っていたのは、順序が逆だった可能性があります。調子が出ないから、体が重かったことを後から思い出している。

Theragun を買う1年半前から、数値は良くなっていました

この分析を始めた動機は、実はもうひとつありました。

Theragun を使うようになってから、ラウンド翌日の Oura の数値が以前ほど落ちなくなった気がしていたのです。それを確かめたい、と思っていました。

※ Theragun そのものについては、マッサージガンを9年で4台替えた記録にまとめました。機種選びの基準と、約1年3か月で壊れた話を書いています。

まず、年ごとにラウンド翌日の落ち込みを並べます。

年Readiness の落ち込み安静時心拍の上昇
2021−11.9点+2.8 bpm
2022−11.7点+3.3 bpm
2023−6.2点+4.0 bpm
2024−5.5点+3.8 bpm
2025−3.5点+2.4 bpm
2026−4.8点+3.1 bpm
ラウンド翌日の変化量の年別グラフ。Readiness の落ち込みは縮小しているが、安静時心拍の上昇は変わっていない
青(Readiness)は年々縮んでいます。しかし橙(安静時心拍)は6年間ほとんど変わっていません。

Readiness だけを見れば、私の感覚は当たっているように見えます。−11.9点が−3.5点まで縮んでいます。

ところが、Theragun を買ったのは2024年10月7日でした。

落ち込みが半分になったのは2023年です。買う1年半前に、すでに起きていたことでした。

買う直前の1年半と、買った後を比べる

正しく比べるなら、Theragun 導入の直前と直後を並べる必要があります。そこで2023年1月から2024年10月6日まで(導入前)と、2024年10月7日以降(導入後)で計算し直しました。

指標導入前導入後差
Readiness の落ち込み−4.97点−4.46点ほぼ変わらず
安静時心拍の上昇+3.36 bpm+2.58 bpm差は誤差の範囲
HRV の落ち込み−8.24 ms−5.54 ms2.7 改善(有意)

導入前84ラウンド、導入後124ラウンドです。

Readiness の差は消えました。私が「良くなった」と感じていた変化は、Theragun とは時期が合っていなかったわけです。おそらく2023年に Oura のスコア算出が変わったことと、そちらが原因です。

安静時心拍も、統計的には差がありませんでした。

残ったのが HRV です。落ち込みが8.2から5.5へ、2.7だけ小さくなっていて、これは偶然では説明しにくい差でした。

その HRV も、測定器が変わっていました

ここで、致命的なことに気づきました。

私の Oura のデータには、2024年7月6日から10月31日まで、4か月分の空白があります。リングのバッテリーが弱ってきて、外していた時期です。そして2024年11月から、Generation 3 を Generation 4 に買い替えています。

Theragun を買ったのは2024年10月7日。リングを替えたのは、その3週間後です。

つまり「Theragun 導入前」のデータは Gen 3 で測ったもので、「導入後」のデータは Gen 4 で測ったものでした。

そこで、ラウンドとは無関係の普通の日だけを取り出して、買い替えの前後で数値のばらつきを比べました。

  • HRV の日々の変動幅:7.0 ms → 6.0 ms
  • HRV のばらつき(標準偏差):8.4 → 7.2

Gen 4 になってから、HRV の数値そのものが1割ほど揺れなくなっています。安静時心拍では、この変化は起きていません(むしろわずかに増えています)。

揺れ幅が小さくなれば、ラウンド翌日の落ち込みも小さく出ます。HRV の落ち込みが8.2から5.5に縮んだのは、Theragun ではなく、センサーが変わったからだと考えるほうが自然です。

検証は、成立していませんでした

正直に書きます。この方法では、Theragun の効果は最初から分からないようにできていました。

導入の直前直後に、測定器そのものが替わっているからです。センサーが変われば、数値の出方が変わります。そのうえで前後を比べても、どちらの影響なのか切り分けられません。

3つ測って動いたのは1つ。その1つは、測定器の交代でほぼ説明がつく。残りは前後比較の弱点として、年齢や練習量の変化とも区別できない。

JetBoots にいたっては、買ったのが2026年4月22日です。それ以降のラウンドは17回しかありません。判断できる数ではありません。

Theragun が効いていない、と言っているのではありません。この調べ方では何も言えない、というのが正確なところです。

測定器を替えたら、その前のデータとは比べられない

これは、このサイト全体に関わる教訓だと思ったので、書いておきます。

5年半のあいだに、私の Oura には2回、数値の断絶が起きていました。2023年初めのスコア算出の変更と、2024年11月の Gen 3 から Gen 4 への買い替えです。

【追記】断絶は、3回だったかもしれません

この記事を公開したあと、もうひとつ気づいたことがあります。

私が最初に使っていたのは、第3世代ではありませんでした。

記録が始まっているのは2021年1月13日です。ところが Oura Ring 第3世代の発売は2021年11月15日でした。つまり最初の10か月は、それ以前の世代(第2世代)で測っていたことになります。第3世代への移行時にデータは引き継がれたため、記録は途切れずに残っていました。

第2世代から第3世代への移行は、センサーだけでなくアプリとスコアの算出方法も大きく変わったタイミングでした。だとすれば、ここにも断絶があったことになります。

データを見ると、それらしい形は出ています。

2021202220232025
HRV 8月65.948.148.756.3
HRV 9月70.444.856.553.4
HRV のばらつき 8月20.010.210.611.8
安静時心拍 9月47.554.152.052.2

2021年の8〜9月だけ、他のどの年の同じ月とも違います。季節の影響なら他の年にも出るはずですが、出ていません。そして10月から11月にかけて、他の年と同じ水準に戻ります。第3世代の発売時期と重なります。

ただし、これで機器のせいだと決めることはできません。HRVが高くて安静時心拍が低いのは、単純に体の調子が良いときの形でもあります。2021年の夏に実際によく回復していた可能性は、消せません。

購入履歴も残っていませんでした。切り替えた正確な日付が分からないので、前後で比べることもできません。

結局、この記事の結論は変わりません。むしろ強くなります。私は断絶を2回だと思って書いていましたが、実際には3回あった可能性が高い。5年半のデータのうち、本当に地続きなのはもっと短い区間だけだということです。

どちらも、私は気づいていませんでした。アプリは同じ画面で、同じ名前のスコアを、何ごともなかったように表示し続けるからです。

弾道測定器でも、同じことが起きるはずです。機種を替えたり、ファームウェアが更新されたりしたあとの数値を、それ以前と並べて「良くなった」と言うのは危ない。私はこれから、測った日付と一緒に、何で測ったかも残すことにします。

これから測ること

次のラウンドから、こうします。

メンテナンスをする日と、しない日を交互にする。同じ時期の自分同士を比べるので、年齢も季節も練習量もそろいます。前後比較の弱点が、これで消えます。

見るのは HRV と安静時心拍のΔです。Readiness スコアは使いません。この記事で分かったとおり、Oura 側の都合で動いてしまう指標だからです。

同じ Gen 4 を、外さずに、通しでつけたまま測ります。今回いちばん効いてしまったのは、リングを替えたことでした。同じ期間・同じ測定器の中で交互に振り分ければ、この問題は起きません。

20ラウンドほどで判定できる見込みです。効かなければ、効かなかったと書きます。

まとめ

341ラウンドと1,861日分のデータで分かったことを、3つにまとめます。

体調は、スコアに出ませんでした。調子の良い日と悪い日で0.7打。ホームコースに絞ると、その差も消えます。

それでも、ラウンドは体に確実に効いていました。翌日は安静時心拍が3拍上がり、HRVが9落ちる。しかも普段よりよく寝た上で、そうなっています。回復するのは二晩目です。

そして、Theragun で翌日が楽になったという私の感覚は、確かめようがありませんでした。数値が良くなったのは買う1年半前からで、しかも導入の3週間後にリングを Gen 3 から Gen 4 に替えていました。測定器が変わった前後を比べても、何の証明にもなりません。

スコアが崩れたとき、「今日は体調が悪かったから」で片付けるのは、たぶん間違いです。私の場合、原因は別のところにありました。25年かけて直らない3つのミスのほうが、よほど効いていそうです。


この記事で使った機材

Oura リングは5年半つけています。バッテリーの寿命や、世代を替えたときに数値が地続きでなくなる話は、レビュー記事にまとめました。

同じデータを使って、夏のゴルフについても調べています。暑さはスコアを悪くしていませんでした。


※ Oura リングは医療機器ではありません。この記事の数値は、あくまで一般消費者向けデバイスで記録された個人のデータです。


体重のほうも、11年分の記録で同じように調べました。


この記事で使った計測器

体調の数値は Oura リング、ラウンドの記録はガーミンです。

栄養のほうも、5年分の検査で同じように調べました。

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この記事を書いた人

ゴルフ歴25年、自己ベスト78。2012年からゴルフの上達法をブログに書いてきました。
同時期に読書ノートのブログも運営し、約200冊分の記録を残しています。

現在は弾道測定器3台を使い、本で読んだ理論を実際に測って確かめる作業をしています。

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