練習場で、弾道測定器を3台同時に走らせました。トップレーサー、ガーミンR10、Square Golf Omni。
打ち出し角の話は前に書きました。今回は左右のズレです。球が落ちた位置が、目標線からどれだけ横に外れていたか、という数字です。
3台そろって記録が残った74球を、1球ずつ突き合わせました。
同じ30球について、2台は22球、1台は10球と言いました
「左に飛んだ」と記録された球の数です。
| 番手 | トップレーサー | Omni | R10 | 球数 |
|---|---|---|---|---|
| ドライバー | 5 | 6 | 2 | 20 |
| 7番アイアン | 21 | 21 | 13 | 24 |
| ピッチングウェッジ | 22 | 22 | 10 | 30 |

トップレーサーとOmniは、球数まで同じです。7番アイアンで21と21、ピッチングウェッジで22と22。
R10だけが少なくなっています。ピッチングウェッジでは30球中10球です。
ドライバーは3台とも「ほとんど右」で揃っています。食い違うのは、アイアンとウェッジです。
3台は、こう置いています
トップレーサーは打席の備え付けで、天井から球を見ています。R10はボールの後方に置きます。Omniは打者から見て正面です。
R10とトップレーサーは同じ側にいます。どちらもボールの後ろから見ています。Omniだけが反対側です。

平均で見ても、R10だけがまっすぐだと言っています
マイナスが左、プラスが右です。
| 番手 | トップレーサー | Omni | R10 | R10−Omni | 球数 |
|---|---|---|---|---|---|
| ドライバー | +29.1 yd | +17.8 yd | +23.5 yd | +5.7 | 20 |
| 7番アイアン | −21.7 yd | −16.5 yd | +0.3 yd | +16.8 | 24 |
| ピッチングウェッジ | −7.0 yd | −7.0 yd | +2.5 yd | +9.5 | 30 |
ピッチングウェッジでは、トップレーサーとOmniがどちらも左7.0ヤードです。同じ30球について、R10は右2.5ヤードと言っています。
7番アイアンでは、2台が左に16から22ヤード、R10はほぼ0です。左右の向きそのものが違います。
ドライバーだけは、3台とも右で揃います。R10とOmniの差5.7ヤードは、この日のばらつきの中に埋もれる大きさでした。
平均より、1球ずつ並べたほうがはっきりします
平均は、どこを基準にするかで動きます。動かないのは、1球ごとに同じ順で並ぶかどうかです。
横軸をトップレーサー、縦軸をもう1台にして、74球をそのまま置きました。

左の図では、点が斜めの線に沿って並んでいます。右の図では散らばっています。同じ74球です。
数字にするとこうなります。1に近いほど、2台が同じ順に並んでいます。
| 番手 | トップレーサーとOmni | トップレーサーとR10 | R10とOmni |
|---|---|---|---|
| ドライバー | 0.98 | 0.52 | 0.62 |
| 7番アイアン | 0.96 | 0.89 | 0.83 |
| ピッチングウェッジ | 0.98 | 0.73 | 0.68 |
トップレーサーとOmniは、3番手とも0.96から0.98です。この2台は球の見方がまったく違います。片方は天井のカメラ、もう片方は打者の正面に置いた4つのカメラです。それでも同じ球を同じ順に並べています。
R10は、どちらとも0.52から0.89でした。
ドライバーで差が出なかったのは、合っていたからではありません
さきほどの表で、ドライバーだけは3台の平均が近いと書きました。
ただし1球ごとに見ると、R10の並びはトップレーサーと0.52しか一致していません。3番手の中でいちばん低い数字です。
平均が近いのは、ついてきているからではありません。ばらつきが大きくて、たまたま真ん中に来ているだけです。
ドライバーならR10で左右を測れる、とは読まないでください。
揃っている2台も、大きさまでは揃っていません
トップレーサーとOmniの差です。
| 番手 | トップレーサー − Omni |
|---|---|
| ドライバー | +11.2 yd |
| 7番アイアン | −5.3 yd |
| ピッチングウェッジ | 0.0 yd |
並び順は0.96から0.98で一致しているのに、大きさはドライバーで11ヤード違います。
理由は分かりません。トップレーサーにはレンジボールの補正が入っていて、距離を7%ほど伸ばします。距離が伸びれば横のズレも一緒に伸びるはずですが、ドライバーの比は1.63倍で、7%では説明がつきません。
もう1つ、確かめていないことがあります。落下地点の左右のズレを、3台が同じ定義で出しているかどうかです。キャリーの地点なのか、ランまで含めた地点なのかで数字は変わります。
この節を落とすと、2台が正しいという話に読めてしまいます。そうではありません。揃っているのは並び順までです。
前に書いた記事の但し書きのほうが、正しかったようです
コースではドローで左に外すのに、練習場で測った数字はスライス側を指していた、という記事を書きました(コースではドロー、練習場ではスライス)。理由を5つ挙げて、全部こちら側の問題だと結論しました。
その3つ目が「そもそも、誤差がこの差より大きい」でした。
あれは海外の比較記事を引いた話です。しかも扱っていたのはクラブパスとフェース角で、クラブ側の数字でした。
今回測ったのはボールの着地点です。別の量です。同じことを確かめた、とは言えません。
言えるのは、違う量を、違う方法で測って、同じ向きの結論が出た、というところまでです。あのとき置いた但し書きのほうが正しかった、という形になります。
これは、あの記事で約束した測り直しではありません
あの記事の最後に、測り直しの条件を5つ書いています。
- 錘を固定して、そのあいだセッティングを触らない
- 器具のテストとスイングの計測を、同じ日にやらない
- 目標線に対してスクエアに立って測る
- 20球以上の平均で見る
- コースボールでも測る
今回満たしているのは4番だけです。3台を同時に扱っているので構えも普段どおりではありませんし、コースボールも使っていません。
宿題は残ったままです。
次にやること
トップレーサーのレンジボール補正を切って、同じ3台で測ります。
先に予測を書いておきます。1球ごとの並び順は変わらないはずです。大きさのほうは変わるかもしれません。
外れたら、外れたと書きます。
追記です。9月20日の計測では、補正を切った状態の記録を1球ずつは残せませんでした。補正が掛かったままでも、7番アイアンの左右のズレは、トップレーサーとOmniで1球ごとに揃っていました。経緯はトップレーサーの初速は、2日とも他の2台より7%高く出ていましたに書いています。
この日は3連続ラウンドの翌々日で、自分の調子は良くありませんでした。左右のズレの絶対値は、普段の自分の球筋ではありません。この記事で使っているのは3台の差だけなので、そこは結論に効きません。
この記事で使った測定器
この日の計測は、他の記事にも出てきます。
- 打ち出し角は、3台のうち1台だけが2.6度高く出ていました … 同じ74球の打ち出し角
- 弾道測定器を3台並べたら、3台とも補正が掛かっていました … 同じ日の初速とスピンとキャリー
- コースではドロー、練習場ではスライス … 練習場の数字が使えなかった話
- Square Golf Omni を6週間使って分かった、測っているもの・計算しているもの … Omni全体のまとめ。測っている数字と計算している数字

