弾道測定器を買うと、いろいろ比べたくなります。
クラブを替えたら数字が変わるのか。ボールを替えたら。グリップを握り直したら。置き位置を動かしたら。
私が最初に試したのは、最後のひとつでした。測定範囲のどこにボールを置くかで、数字が変わるのか。
50球打ちました。答えは出ませんでした。
足りなかったのは、あと115球です。
ただ、探していたものとは別のところに、はっきりした差が出ていました。
何を試したか
Square Golf Omni を使っています。
測定範囲(レディゾーン)の四隅と中央、5か所にボールを置いて、それぞれ10球ずつ打ちました。キャリブレーションなしで5球、ありで5球です。合計50球。クラブはサンドウェッジ、ハーフショットです。
この記事では、置き場所を「左」「右」「上」「下」で呼びません。あとで自分が取り違えたからです。カメラの真下を起点にして、横に何センチ、奥行きに何センチ、と書きます。
測定範囲は、カメラの真下から見て横5から30センチ、奥行き35から60センチです。この測り方はSquare Golf Omni の有効範囲を、25センチの板を作って測りましたに書きました。

差はあったように見えました
5か所の平均キャリーは、25.5ヤードから30.5ヤードでした。幅は5.0ヤード。
数字だけ見れば、置き位置で5ヤード変わったことになります。
ただ、同じ場所で打った10球のばらつきが、それと同じくらいありました。
キャリーの標準偏差は2.9ヤード。平均27.4ヤードに対して11%です。
5球で見分けられるのは、5.1ヤードまででした
必要な球数は計算できます。ばらつきの大きさと、見分けたい差の大きさから出ます。
私のばらつき(標準偏差2.9ヤード)で計算すると、こうなりました。
| 見分けたい差 | 1か所あたり | 5か所ぶん |
|---|---|---|
| 1ヤード | 132球 | 660球 |
| 2ヤード | 33球 | 165球 |
| 3ヤード | 15球 | 75球 |
| 5.1ヤード | 5球 | 25球 |
いちばん下が、今回の球数で見分けられる限界です。5.1ヤード。
実際に出た幅は5.0ヤードでした。限界のすぐ下です。
差があるように見えても、差の証拠にはなりません。5か所で165球打っていれば、2ヤードの差までは言えました。
機械ではないので、同じようには打てません。比べていたのは置き位置ではなく、自分のばらつきのほうでした。
クラブ側だけ、はっきり差が出ました
キャリーは分かりませんでしたが、別のところに差が出ていました。
数字が取れるかどうかです。
クラブスピード、クラブパス、フェース角、打点の位置まで、8項目が揃った球を数えると、こうなりました。
| 置いた場所(カメラの真下から) | 全項目が取れた球 |
|---|---|
| 横5 ・ 奥行き35 | 10/10 |
| 横5 ・ 奥行き60 | 10/10 |
| 中央 | 10/10 |
| 横30 ・ 奥行き60 | 8/10 |
| 横30 ・ 奥行き35 | 0/10 |

横に30センチずらした2か所で落ちています。片方はゼロでした。
打点の縦位置が10球とも空欄でした。クラブスピードも2球欠けています。ボールの飛び方(キャリー、初速、スピン)は50球すべて取れているので、クラブを見る条件だけが崩れています。
これは打ち方では説明できません。同じように振れなくても、カメラが見えるかどうかは変わらないからです。5球ずつでも結論が出る種類の差でした。
距離の順ではありませんでした
はじめは、カメラに近いほど悪いのだと思いました。違いました。
カメラの真下から各点までの距離を出すと、こうなります。
| 置いた場所 | カメラからの距離 | 全項目が取れた球 |
|---|---|---|
| 横5 ・ 奥行き35 | 35cm | 10/10 |
| 横30 ・ 奥行き35 | 46cm | 0/10 |
| 中央 | 51cm | 10/10 |
| 横5 ・ 奥行き60 | 60cm | 10/10 |
| 横30 ・ 奥行き60 | 67cm | 8/10 |
いちばん近い35センチの場所は、10球すべて取れています。いちばん遠い67センチの場所も、8球取れました。ゼロだったのは、5か所のうち2番目に近い場所です。
遠いから取れない、ではありませんでした。
効いていたのは、横にどれだけずれているかです。横5センチの2か所と中央は全部取れて、横30センチの2か所で落ちています。そして横30センチどうしでは、奥行きが近いほうが悪い。
横にずれるほど、そして近いほど、カメラからは斜めに見えます。順番はそれと合っています。ここは筋の話で、確かめてはいません。
マニュアルに書いてありました
ここで、マニュアルを読み返しました。
レディゾーンの後方にボールを置いた場合、クラブの映像が取得されないことがあります。クラブを測定するためには、レディゾーンの前方にボールを配置することを推奨します。
そのままでした。
トラブルシューティングの「クラブデータが測定されない」にも、同じことが書かれています。ステッカーの貼付を確認すること、そして、ボールはレディゾーン前方に配置することを推奨する、と。
私が基準にしていたのは、そのゼロだった場所です。マニュアルが名指しで注意している側でした。
途中で、置き場所を変えていました
前の記事までは、範囲の真ん中あたりで打っていました。アプリのチュートリアルにある52センチという数字に合わせていたからです。あれは範囲の中央までの距離でした。
そのあと、手前の角に移しました。範囲が始まる側で、横にも寄っていました。
打席との位置関係が良かったからです。測定のことは考えていませんでした。範囲の中なら同じだろう、と思っていました。
仕組みも書いてありました
なぜ後方だと取れないのか。マニュアルの仕様を読むと、説明がつきます。
カメラは4つです。本体の各部名称に「高速カメラ ( X4 )」とあり、ボールとクラブの映像を取得する、と書かれています。
4つのカメラがそれぞれ別の角度から見て、そのずれ方から位置を割り出しているのだとすれば、25センチ四方というのは4つの視野が重なっている範囲ということになります。ここは推測です。
ボールは、打つ瞬間は止まっています。範囲の中にありさえすれば取れます。実際、50球すべてでボールの数字は出ていました。
クラブは止まっていません。振り抜いていきます。範囲の隅に置けば、振り抜いた先は範囲の外へ出ます。
同じ球で、ボールは取れてクラブだけ欠ける。その理由としては筋が通ります。
キャリブレーションは、期待する場所が違いました
各位置で、キャリブレーションなし5球、あり5球を打っています。
ある場所では、なしで2球欠けたものが、ありでゼロになりました。別の場所では逆に、なしでゼロだったクラブスピードの欠測が、ありで2球出ました。5球ずつでは、どちらも偶然の範囲です。
そもそも、期待するものが違っていました。
マニュアルによると、この操作はターゲットラインの再設定です。測定される出発方向角は、ターゲットラインとボールの飛行方向がなす角度として計算されます。アライメントスティックを置いて、その基準を引き直す。
狙う方向の基準を作り直すものであって、カメラに見えるかどうかを変えるものではありません。
方向の精度と、数字が取れるかどうか。別の話を一緒に測ろうとしていました。
中央に動かします
中央は10球すべて取れました。横5センチ側も取れています。
横5センチ側に動かせば測定は問題ないのですが、そちらは別の事情で使えません。後方に鏡を立てかけてあって、寄るとクラブが当たります。部屋の話は別の記事に書きました。

測定に都合がよくて、振っても当たらない。その両方を満たすのが中央でした。
この記事を、3週間置いていました
打った直後に途中まで書いて、そのままにしていました。
予想と違ったからです。
私は、本体のわきに立てた発泡スチロールの壁が影を作っているのだと思っていました。跳ね返ってくる球を止めるために置いたものです。だとすれば、落ちるのは壁の側だ、という予想がありました。
実際に落ちたのは、反対側でした。
自分の予想が外れたので、どこかを取り違えたのだろうと思って、そこで止めました。
あとで有効範囲を測り直しました。Square Golf Omni の有効範囲を、25センチの板を作って測りましたです。落ちた場所は、カメラから見ていちばん斜めになる角でした。壁を持ち出さなくても説明がつきます。
データのほうが正しかった、ということになります。
壁が影を作っていないかどうかは、まだ確かめていません。壁を外して同じ場所で打てば切り分けられます。
次に比べるときのために
50球を無駄にしたわけではありません。2つ持ち帰りました。
比べる前に、自分のばらつきを測る
同じ条件で10球なり20球なり打って、標準偏差を出しておく。私はサンドウェッジのハーフショットで2.9ヤード、平均の11%でした。この数字さえ分かれば、何球必要かは計算できます。そして、たいていは思っているより多い。
クラブを比べる、ボールを比べる、グリップを変えて比べる。どれも同じです。自分のばらつきより小さい差は、何球打っても見えません。
新しい器具は、トラブルシューティングを先に読む
私は問題が起きてから読みました。順番が逆です。あそこには、メーカーが「よく起きる」と分かっていることが書いてあります。
読んでいれば、50球は要りませんでした。
まだ分からないこと
- 壁を外したら何か変わるのか
- 横にどこまでなら安全か。四隅と中央しか試していません
- キャリブレーションの効果。球数が足りません
- 置き位置でキャリーが変わるのか。165球が必要で、まだ打っていません
- 他の個体でも同じ傾向が出るのか。うちの1台での結果です
この記事で使った測定器
この測定器は、他の記事にも出てきます。
- Square Golf Omni を6畳に置いた初日 … 置いた初日の記録
- Square Golf Omni を買ったら最初にやること … 置き場所と、クラブに貼るステッカーの話
- Square Golf Omni の有効範囲を、25センチの板を作って測りました … 有効範囲そのものを測った話
- 自宅6畳でゴルフ練習はどこまでできるか … 部屋そのものの話
- 原因を分けるために、使わない打ち方を作っていました … 置き場所ではなく、打ち方で分かれた話
- Square Golf Omni を6週間使って分かった、測っているもの・計算しているもの … Omni全体のまとめ。測っている数字と計算している数字

