自宅の弾道測定器は、球を打つとクラブ側の数字も出します。ヘッドスピード、クラブの軌道、フェースの向き、打点の位置。フェースに貼ったシールを、インパクトの瞬間に読む仕組みです。
この数字が、出る球と出ない球があります。同じ部屋、同じクラブ、同じ日でも出ません。
その原因を分けようとして、9月12日に80球打ちました。

原因は、3つ見つかっています
これまでに分かっているのは3つです。
1つ目はシールです。貼らずに打つと、クラブ側の数字は1項目も出ません。37球打って0球でした。
2つ目はボールの置き場所です。効いていたのは測定器からの距離ではなく、横へのずれでした。打つ人から見て右上、測定器の死角になる位置に置くと、まず打点が出なくなります。5か所で50球打って確かめています。
3つ目が、打ち方です。ここだけが残っています。
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3つ目には、2つのことが混ざっていました
8月21日に、バニラピッチという打ち方で40球打ちました。まっすぐ引いてまっすぐ打ち、トゥに当てて転がす球です。
このとき、クラブ側の数字は40球中2球しか出ませんでした。
ただ、この打ち方には2つの特徴が同時にあります。フェースを開いて閉じる動きがないこと。そして球が遅いこと。ヘッドスピードが普段の半分以下になります。
どちらが原因かは、あの40球からは言えません。
速さを、ヘッドスピードでは測れません
分けるには、速さを軸にして比べることになります。ところが、ヘッドスピードは使えません。
ヘッドスピードもクラブ側の数字のひとつです。数字が出なかった球では、速さも残っていません。取れなかった球がどれくらいの速さだったのかを、ヘッドスピードでは言えない。
そこでボール初速を使いました。こちらはカメラが球を直接見ている数字で、クラブ側が全部落ちた球でも残ります。
80球の内訳
打ったのは自宅の6畳間です。ピッチングウェッジ1本、ボールはTP5 PIXの新品、測定器の置き場所とボールの位置は動かしていません。1球も削除していません。
| 打ち方 | ボール初速 | 球数 | 数字が出た球 |
|---|---|---|---|
| 面を返す・速い | 14.32 | 20 | 19 |
| 面を返す | 9.89 | 20 | 20 |
| 面を返さない | 9.88 | 10 | 7 |
| 面を返す・遅い | 5.78 | 10 | 6 |
| 面を返さない・遅い | 4.10 | 20 | 1 |
初速の単位はメートル毎秒です。
8月21日と同じ結果が、いちばん下の行に出ています。バニラピッチでは、20球中1球しか出ませんでした。8月は40球中2球です。球もボールの位置も変えたのに、同じでした。
同じ速さで比べられた組が、ひとつできました
表の2行目と3行目です。ボール初速の平均が9.89と9.88。ほとんど同じです。
面を返した20球は20球とも数字が出ました。面を返さなかった10球は7球です。フィッシャーの正確検定でp=0.030。
速さを揃えても、面を返さないほうが落ちます。
ダイナミックロフトも違っていました。面を返した球が34.1度、返さなかった球が30.1度。打ち方が実際に変わっていたことの裏づけにはなります。
速さのほうも効いています
同じ表を、縦に見ます。
面を返さない打ち方で、初速4.10のときは20球中1球でした。9.88に上げると10球中7球になります。
面を返す打ち方でも、5.78のときは10球中6球、9.89では20球すべてでした。
どちらも効いています。どちらがどれだけかは、この80球では言えません。1ブロック10球が2つ入っているだけです。
分けきれなかった理由は、統計ではありません
球数の問題ではありませんでした。
遅く打って面を返そうとすると、返せない球が混じります。手打ちになってダフる球も出ます。10球のうち3球がそうでした。
逆に、面を返さないまま速く打つのも難しい。ストロークが短いので加速をつけられません。実際、この10球のボール初速は7.5から14.8まで散りました。同じ速さで打ったほかのブロックは、8.5から11.2の範囲に収まっています。ばらつきが4倍近くあります。
変数を1つだけ動かしたつもりでしたが、体のほうが2つ一緒に動かしていました。
使わない打ち方を、作っていました
最後の10球を打っているときに気づきました。
面を返さないまま速く打つ。これは、私がコースでも練習でも使わない打ち方です。測定器の性質を調べるために、その日に作りました。
バニラピッチ自体は使います。転がして寄せたい場面の球で、まっすぐ引いてまっすぐ打ったら、左に曲がる癖が消えましたにも書きました。使わないのは「速いバニラピッチ」のほうです。
道具の答え合わせをするつもりで、答え合わせの対象にない打ち方を作っていた。ここで止めました。
分けられていないもの
書けたのは、面の返りも速さも効いている、というところまでです。
バニラピッチは、面を返さない打ち方であると同時に、トゥに当てる打ち方でもあります。ヒールを浮かせて構えます。面の返りと打点は、まだ一緒に動いています。
それを分けるには、面を返さずにフェースの真ん中で打つ球が必要です。こちらは作らなくても手元にあります。ピッチエンドランのときは、だいたいそういう打ち方になります。
同じ初速帯で、面を返さずに真ん中で打つ球を並べれば、落ちているのが面の返りなのか打点なのかが分かれます。次に測るのはそこです。
そのときは、フェースに貼るシールで実際の打点も残します。測定器が出す打点は、数字が出た球にしか残りません。落ちた球がどこに当たっていたのかは、測定器では分からないままです。
おまけ:数字が出なかった球の書き出され方
計測データを見るときの注意です。
数字が出なかった球は、その欄が0になります。ただし1項目だけ、0ではなく15.9という数字が入っていました。打点の縦位置です。
0で判定すると、この球を「数字が出た球」として数えてしまいます。ヘッドスピードで絞るのが安全です。

