前に使っていた56度と、今の56度を、同じ日に40球ずつ打ちました

本記事にはプロモーションを含みます。
同じ56度2本のスピン比較。ロフトと速さを揃えても380回転の差が残った

2025年2月に、サンドウェッジを入れ替えました。

理由は2つあります。1つは、球の高さが前ほど上がらなくなった気がしていたこと。もう1つは、新しいモデルを使ってみたかったことです。

正直に書くと、後者のほうが先にありました。気になっていたところに、上がらない感覚が背中を押した。そういう順序です。

外したほうは捨てていません。練習部屋に置いて、そのまま自宅練習用に使っています。1年半、毎日のように打っています。

このクラブは、2日前にも同じ部屋で打っています。

どちらの記事も、使ったサンドウェッジは練習用ですと断っています。その但し書きの中身が、今回の40球です。

つまり手元には、同じ56度が2本あります。片方は5年8か月バッグに入っていたもの。もう片方はそれを引き継いだもの。

2026年8月21日の朝、両方を同じ日に打ってみました。

目次

打った2本

前に使っていた56度今の56度
ヘッドRazzle Dazzle CS-03WRazzle Dazzle CS-07w.s
ロフト56度56度
シャフトATTAS SPINWEGE 125LA Golf L series 120wv
長さ34.75インチ35インチ
鉛なしグリップの下に2巻
使い始め2019年6月2025年2月
バッグに入っていた期間5年8か月1年6か月(継続中)

どちらも同じメーカーの地クラブです。ヘッドは別のモデルになります。

地クラブなので、売り方が普通のクラブと違います。ヘッドを選んで、シャフトを選んで、組んでもらう。今の56度のヘッドは、46度から60度まで2度刻みで用意されています。

私が入れている LA Golf L series 120wv ですが、今はあまり市場に出ていないようなので、同じものを購入するのは難しいかもしれません。同じヘッドを選んでも、シャフトは別のものになります。

交互に打ちました

自宅の6畳の練習部屋、ネットに向かって打っています。計測は Square Golf Omni。

部屋と測定器のことは、別の記事に書いています。

120球を、20球ずつ6つに分けました。

  1. 今の56度 20球
  2. 前の56度 20球
  3. 9番アイアン 20球(別の打ち方の練習)
  4. 今の56度 20球
  5. ピッチングウェッジ 20球(同上)
  6. 前の56度 20球

1本ずつ順番に打つのではなく、間を空けて2回ずつ打っています。疲れや慣れの影響を、クラブの差と混ぜないためです。

あいだに挟んだ9番アイアンとピッチングウェッジの40球は、別の打ち方で打っています。まっすぐ引いてまっすぐ打ったら、左に曲がる癖が消えましたに書きました。

これは正解でした。両方のクラブで、1回目より2回目のほうがキャリーが1ヤード近く落ちています。今の56度が10.07から8.91、前の56度が9.36から8.38。もし1本ずつ続けて打っていたら、この落ち込みをクラブの差として読んでいました。

外れた球も含めて、120球すべてを使っています。1球も削除していません。

スピンが、380回転ちがいました

40球ずつの平均です。

今の56度前の56度
ヘッドスピード(m/s)9.679.13
ボール初速(m/s)9.599.29
ダイナミックロフト(度)42.6143.03
打ち出し角(度)33.8434.15
スピン量(回転/分)28322354
キャリー(ヤード)9.498.87

ダイナミックロフトは、当たった瞬間にフェースがどれだけ上を向いていたかの角度です。表示のロフトではなく、実際に球に当たった角度のほうを指します。

この2本、入り方はほとんど同じです。ダイナミックロフトの差は0.4度、打ち出し角の差は0.3度。同じ角度で入って、同じ角度で出ています。

違うのは回転だけでした。478回転ぶん、前の56度が少ない。

ヘッドスピードのせいではなさそうです。差は0.54 m/sしかありません。しかも速いのは今の56度のほうで、スピンが多いのも今の56度です。ヘッドスピードが原因なら、速いほうが多く回るという説明になりますが、それにしては0.54では説明が足りません。

ダイナミックロフトとヘッドスピードの両方を揃えて計算し直しても、クラブが違うという効果だけで380回転ほど残ります(74球、決定係数0.84)。入り方の差でも、速さの差でもない。フェースと球のあいだで起きていることになります。

ダイナミックロフトとスピン量の散布図。2本の56度ウェッジを色分けし、回帰直線が平行に約380回転ずれている。47度以上では分布が重ならない

図にすると、2本の線がほぼ平行に並びます。どちらもフェースを上に向けて当てるほどスピンが減っていて、その線が縦にずれている。

ダイナミックロフト別に区切ると、こうなります。

ダイナミックロフト今の56度前の56度
38〜40度3098(2球)2975(10球)
40〜42度3026(14球)2756(9球)
42〜44度2957(10球)2470(4球)
44〜47度2654(6球)2049(5球)
47度以上2171(4球)1257(8球)

47度以上の球では、2本の分布が1球も重なりません。今の56度は1891回転を下回らず、前の56度は1447回転を上回らない。フェースを上に向けてすくい上げるように当てた球ほど、差が開いているように見えます。

ただし、これは確かめられていません。「上に向けるほど差が開く」という関係を統計で見ると、有意になりませんでした。区切りごとの球数が2球から14球と少なく、偶然の可能性が残ります。数字として書けるのは、全体で380回転ほど少ない、というところまでです。

溝が減ったから、とは書けません

期間はこうです。

実戦で使った期間その後
前の56度5年8か月1年6か月の自宅練習
今の56度1年6か月—

溝が摩耗してスピンが落ちる、という説明とは矛盾しません。すくい上げた球でいちばん差が出るという傾向も、フェースを滑る球ほど溝が効く、という向きと合います。

2本のフェースです。

前の56度のほうが、フェースの傷が広く残っています。ただし写真で分かるのはそこまでです。溝の深さは読めません。摩耗しているかどうかは、これでは決められません。

どちらのフェースにも白い丸が貼ってあります。測定器がクラブの向きを読むためのシールです。

それでも、溝のせいだとは書けません。同時に動いている変数が3つあるからです。

ヘッドが別のモデルです。CS-03WとCS-07w.sで、フェースの仕上げもソールの形も違う可能性があります。シャフトも違います。そして片方だけ、グリップの下に鉛が入っています。

切り分ける方法は1つ思いつきました。バッグに入っている50度を足すことです。あれは前の56度と同じCS-03系のヘッドで、しかも新しい。50度が今の56度と同じ振る舞いをすれば原因は摩耗、前の56度と同じ振る舞いをすれば原因はモデルの差になります。

ロフトが違うので、スピンの絶対値では比べられません。ダイナミックロフトを揃えたうえでの差を見ることになります。次に測るときにやります。

累積の打球数も分かっていません。前の56度は今も自宅練習の主力なので、フェースが受けた球数は期間の比よりさらに開いている可能性があります。逆に、練習の球はアプローチばかりなので1球あたりの負荷は軽いとも言えます。どちらも数えていません。

球の高さについては、何も言えませんでした

入れ替えの動機のほうです。球が上がらなくなった、という感覚。

これは確かめられませんでした。

今の56度前の56度
最高到達点(ヤード)1.641.55
最高到達点 ÷ キャリー0.17250.1744
打ち出し角(度)33.8434.15
着地角(度)34.9535.12

高さの指標に差がありません。キャリーで割った比率で見ると、むしろ前の56度のほうがわずかに高い。差はどれも統計的に意味のある水準に届きませんでした。

理由ははっきりしています。9ヤードでは、スピンが高さに効かないからです。

打ち出し角・ボール初速・スピンの3つで最高到達点を説明すると、それぞれの効き方はこうなりました。

最高到達点への効き着地角への効き
打ち出し角 1度0.089ヤード1.060度
ボール初速 1 m/s0.344ヤード0.352度
スピン 1000回転0.060ヤード0.177度

380回転の差を当てはめると、最高到達点の差は2センチ、着地角の差は0.07度です。

球が飛んでいる時間が短すぎて、回転が揚力として働く区間がありません。この距離では、溝が減っていても球の高さは変わらない。

そもそも感覚のほうは、コースでのフルショットについてのものでした。ラウンドの記録では、私の56度の平均は86ヤードです。今回測ったのは9ヤードの球です。比べる相手が違います。練習場に2本持っていって、フルショットで測り直す必要があります。

86ヤードは、ガーミンのウォッチに6年ぶん貯まった記録から出しています。ゴルフのデータは、後から作れませんに、その記録の話を書きました。

言えるのは、感覚と辻褄の合う差がフェース側にあった、というところまでです。回転が少なければ、長い球では高さも落ちます。感覚を説明しうる仕組みは見つかった。それが本当に起きていたかは、まだ確かめていません。

鉛を入れたほうが、距離は揃いませんでした

ここからは、測る前に予想していなかったほうの話です。

今の56度には、鉛を入れています。貼る場所は、グリップの内側の下巻きの部分です。

シャフトにグリップを挿すときは、先に下巻きのテープを巻きます。その上から鉛のテープを巻いて、さらにその上からグリップを被せる。グリップエンド側から2巻きです。斜めには巻かず、まっすぐ重ねています。

外からは見えません。握った感触にも出ません。手元の重さだけが増えます。

手元が重くなると、振ったときにヘッドの重さを感じにくくなります。狙いは距離のばらつきを抑えることでした。ウェッジ3本とも同じことをしています。

何グラム入っているかは分かりません。測るにはグリップを外す必要があります。

入れるときも同じで、グリップを外さないと作業ができません。3本とも自分で交換しました。

そのばらつきが、こうでした。キャリーの標準偏差です。

今の56度前の56度
1回目の20球1.590.83
2回目の20球1.330.65
40球通し1.560.89
平均で割った比率16.5%10.0%

前半でも後半でも通しでも、鉛を入れていないほうが揃っています。総距離で見ても同じでした。統計的にも偶然の範囲を外れています。

逆に、球の出方は前の56度のほうが暴れます。打ち出し角のばらつきが2.37に対して4.01、スピンが411に対して684、着地角が2.46に対して4.08。

前の56度は、球の出方が暴れるのに距離は揃う。今の56度は、球の出方は揃うのに距離が暴れる。並べて打つまで、こういう形になっているとは思っていませんでした。

4ブロックのキャリーの箱ひげ図。鉛を入れた今の56度のほうが、ばらつきが大きい

ここで気をつけたいことがあります。これは鉛の効果ではありません。

比べている2本は、ヘッドもシャフトも長さも鉛も全部違います。この結果から言えるのは、この2本を比べたら鉛を入れたほうがキャリーのばらつきが大きかった、というところまでです。鉛が悪いという話にはなりません。

同じヘッド・同じシャフトで鉛だけ変えた2本を用意すれば分かりますが、そこまではやりません。分からないと書いておくほうが正しいと思います。

この80球は、18日後にもう一度打ち直しました。同じ部屋で、同じように交互に、40球ずつです。回転の差は残りましたが、ここに書いたキャリーのばらつきの差は出ませんでした。直接測っている値で見ても差はありません。同じ56度2本を、18日後にもう一度打ちましたに書いています。

持ち替えた直後の8球

もう1つ、隠さずに書いておきます。

前の56度の1回目、最初の8球が他と違っていました。

球数スピン量打ち出し角ダイナミックロフト
1131138.949.1
2118740.450.6
3132239.249.3
4269233.542.7
5119941.151.8
6129340.951.7
7119541.051.5
8271323.930.7
9〜20の平均278831.439.5

7球目までのうち6球が、フェースを大きく上に向けて当たっています。8球目で逆に振れて、そこから落ち着いています。クラブを持ち替えた直後に、打ち方が定まっていなかったのだと思います。2回目の20球では、同じ球は2球しか出ていません。

前の56度に持ち替えた直後20球のスピン量の推移。最初の8球に低スピンの球が集まっている

この8球を除くかどうかで、球の出方のばらつきの結論が変わります。除くと、スピンや打ち出し角の差は統計的に有意と言えるかどうかの境目まで下がります。

除いていません。道具を評価するために測っているデータなので、都合の悪い球を落とすと評価そのものが成り立たなくなります。ただ、そういう8球が入っているとは書いておきます。

分かったことと、分からなかったこと

分かったのは3つです。

前の56度は、今の56度よりスピンが380回転ほど少ない。入り方の差でも、ヘッドスピードの差でもありません。

鉛を入れた今の56度のほうが、キャリーは揃っていません。

前の56度は、球の出方が暴れます。ただしこれは、持ち替え直後の8球を含めるかどうかで結論が変わる程度の差です。

分からなかったのは3つです。

380回転の差が、溝の摩耗なのか、ヘッドのモデルの差なのか。50度を足せば分かります。

球が上がらなくなったという感覚が正しかったのか。9ヤードでは測れません。練習場でフルショットを測る必要があります。

鉛が効いているのかどうか。この比べ方では分かりません。

入れ替えの判断が正しかったのかは、結局この120球では出ませんでした。そもそも動機の半分は新しいモデルへの興味だったので、正しいも間違いもないのかもしれません。ただ、1年半前に感じていたことと辻褄の合う数字が、フェース側に残っていました。それだけは分かりました。

この記事のキャリーも、測定器が計算で出した数字です。設定で増減させることもできます。ただしその設定は全体に共通で掛かるので、2本の差には効きません。測定器のキャリーは、設定で増減できる数字でしたに書きました。

追記です。この記事でスピンの根拠にした数字は、測定器がボールの回転を見て出したものではありませんでした。設定が計算モードになっていて、他の数字から算出された値です。差そのものは、書き出されている他の数字で条件づけても残りました。ただし、その差がフェースと球の摩擦から来ているかどうかは、この測定器では決められません。確かめた手順は弾道測定器を3台並べたら、3台とも補正が掛かっていましたに書いています。

そのモードは、選んでいたわけではありませんでした。Omni に接続している間は、スピンの出し方を選ぶ設定そのものが画面に出てきません。接続をスキップすると出てくる設定が、接続すると消えましたに書いています。

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この記事を書いた人

ゴルフ歴25年、自己ベスト78。2012年からゴルフの上達法をブログに書いてきました。
同時期に読書ノートのブログも運営し、約200冊分の記録を残しています。

現在は弾道測定器3台を使い、本で読んだ理論を実際に測って確かめる作業をしています。

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