前の記事で、弾道測定器のスピンについて書きました。Square Golf Omni のアプリに「スピン測定」という設定があって、「測定」と「計算」の2択になっている、という話です。
測定が動くのは、メーカーが指定した球だけでした。Square Golf の純正マーク球2種類と、TaylorMade の TP5 / TP5X PIX。この3種類しかありません。
私がそのとき使っていた球は、リストに入っていません。だから私の計測は、ずっと計算モードで動いていました。
そこで、リストに載っている球を買いました。
アプリを開いたら、その設定が出てきませんでした。
リストに載っていたのは、元から使っている球でした
TaylorMade の TP5 です。柄の入った TP5 PIX のほうが、リストに載っていました。
TP5 は前から手元にあります。ラウンドで使うこともあります。ドライバーとミニドライバーを弾道で使い分けようとしていた時期に、球でスピンの出方を調整できないかを試していて、そのときに使っていた球の1つです。ドライバーはスピンが少なすぎてドロップし、ミニドライバーはスピンが多くて吹け上がる。逆方向のミスが2本並んでいて、球で片方に寄せると、もう片方が外れます。

買い足したのは、柄のあるほうだけです。リストの5種類は、どれも普通に買えます。手に入らないから選べない、という球はありません。
球のページはTaylorMade の公式サイトにあります。
接続すると、スピン測定の項目が消えます
設定の画面を2枚並べます。同じ日に、同じアプリで撮ったものです。


左上を見てください。1枚目は「No device」で、接続のボタンが出ています。2枚目は本体の名前と電池残量が出ています。
右側の列が違います。1枚目にはスピン測定という行があります。2枚目にはありません。ボレディ効果音、ターゲットラインの調整、チュートリアル、グラフィック・セッティング。スピン測定の行だけが、そのまま無くなっています。
アプリのバージョンは、2枚とも 2.0.5 です。
私が8月に見ていたのは、1枚目のほうでした。接続する前に設定を開いて、スピン測定が「計算」になっているのを確認していました。
アプリは、他のモデルと共有のようです
未接続の状態でスピン測定を開くと、選択の画面が出ます。

測定と計算が並んでいて、説明も出ます。リストのゴルフボールに対してスピンを測定します。リスト以外のゴルフボールについては、計算モードを使用することをお勧めします。リストのボタンを押すと、対応している球が5つ出てきます。
この画面は、押せます。接続していないので、機種が決まっていない状態です。
接続すると消えるので、この設定は Omni のものではないことになります。前のモデルのものだと思いますが、前のモデルを持っていないので確かめていません。前のモデルで測定モードが実際に動くかどうかも、分かりません。
分かるのはここまでです。Omni に接続している間、スピンの出し方は選べません。
それでも40球打ちました
球が2種類あって、部屋も片付いていました。測定モードで測るという目的は無くなりましたが、柄のある球と無地の球を同じ日に打てる状態ではあります。場所は6畳の和室です。
条件を揃えて打ちました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| クラブ | ピッチングウェッジ1本 |
| 場所 | 自宅の6畳、ネット打ち |
| 球数 | TP5 PIX 20球、無地のTP5 20球 |
| 打ち方 | クウォーターショット |
| 削除 | なし |
順番は、PIX が先です。ブロックを打ち終えてから記録を書き出して、球を替えました。
クラブ側の数字は、40球すべて取れています。この部屋のこのクラブでは、いつもそうなります。
球を替えても、スピンは他の数字から導けました
Omni が書き出す数字のうち、スピン以外の全部を使って、スピン量を説明できるかどうかを見ました。
| データ | 球数 | 説明できた割合 | 残差 | 平均スピン | 残差の比率 |
|---|---|---|---|---|---|
| TP5 PIX | 20 | 0.918 | 85 | 2851 | 3.0% |
| 無地のTP5 | 20 | 0.779 | 82 | 2717 | 3.0% |
| 8月19日のピッチングウェッジ | 20 | 0.908 | 104 | 2796 | 3.7% |
8月に別の球でやったときと、同じ形になりました。
説明できた割合は高いのですが、1にはなりません。残差が3%残ります。書き出されている数字だけでは、スピンの計算を再現しきれない。書き出されていない数字も使っている、ということになります。
球が変わっても、この結論は動きませんでした。なお、キャリーのほうには、ユーザーが動かせるつまみが付いています。
生の差は、球の差ではなく打ち方の差でした
2つのブロックの平均を並べます。
| 項目 | TP5 PIX | 無地のTP5 | 差 | p |
|---|---|---|---|---|
| ボール初速(m/s) | 12.39 | 11.81 | +0.59 | 0.007 |
| フェース角 | −0.82 | −2.24 | +1.42 | 0.008 |
| 打ち出し方向 | +0.60 | −0.68 | +1.28 | 0.0004 |
| ヘッドスピード(m/s) | 10.08 | 9.72 | +0.36 | 0.21 |
| ダイナミックロフト | 35.56 | 35.03 | +0.53 | 0.28 |
| スピン量 | 2851 | 2717 | +134 | 0.10 |
| スピン軸 | −9.47 | −13.06 | +3.59 | 0.04 |
| キャリー(ヤード) | 14.33 | 12.87 | +1.46 | 0.003 |
マイナスが左です。
キャリーが1.5ヤード違います。スピン軸も3.6度違います。ただし、ボール初速とフェース角も同じくらいはっきり違っていました。
打ち方が変わっています。
そこで、他の数字を揃えた状態で球の差だけを取り出しました。
| 見たもの | 条件を揃えない | 打点以外を揃えた |
|---|---|---|
| スピン軸 | +3.58(p=0.04) | −1.06(p=0.53) |
| スピン量 | +134(p=0.10) | −133(p=0.04) |
スピン軸の差は消えました。生で出ていた3.6度は、フェース角の1.4度で説明がつきます。球のせいではありませんでした。
スピン量のほうは、条件を揃えると符号が反対になります。残差が85なので、その1.5倍ほどの大きさです。球数は合わせて40。これで「球によって計算結果が変わる」と書くのは、行き過ぎだと思います。ここは分からないままにしておきます。
曲がりの左は残り、出球の左は消えました
左右の球数です。
| ブロック | スピン軸が左 | 打ち出し方向が左 |
|---|---|---|
| TP5 PIX | 18 / 20 | 5 / 20 |
| 無地のTP5 | 20 / 20 | 12 / 20 |
8月19日の80球では、79球が左に曲がって、72球が左に出ていました。
曲がりのほうは、2週間後の別の球でも残っています。
出球のほうは残りませんでした。PIX のブロックでは、20球のうち15球が右に出ています。打ち出し方向は、カメラが直接見ている数字です。計算で出したものではありません。フェース角が1.4度開いていたことと、向きが合います。
8月に書いた「出球も左」は、あの日の打ち方についての記述でした。癖として続いているのは、曲がりのほうだけです。
スピン軸は、フェース対パスの言い換えではありませんでした
Omni のスピン軸が、Omni 自身のフェース対パス(フェース角とクラブパスの差)だけで決まるのかどうかを見ました。同じ数字を2回見せているだけなら、2つ並べて書く意味がありません。左に曲がる癖の話も、スピン軸の上に乗っています。

| データ | 球数 | 説明できた割合 |
|---|---|---|
| 8月28日の7番アイアン(フルショット) | 24 | 0.917 |
| TP5 PIX(ピッチングウェッジ・クウォーター) | 20 | 0.120 |
| 無地のTP5(同上) | 20 | 0.055 |
7番アイアンのフルショットでは、ほとんど一直線でした。ピッチングウェッジの小さい球では、そうなりません。
別の情報源から来ている、と言いたくなります。ただし、そう決めることはできません。小さい球は回転そのものが少なくて、スピン軸は回転が少ないほど暴れます。関係が消えたのか、雑音に埋もれただけなのか、この40球では分けられません。
同じ日に、同じクラブでフルショットのブロックを足せば分かります。まだやっていません。
私が書いた、断定しすぎた一文
56度のウェッジ2本を比べた記事に、こう書きました。
同じ角度で入って同じ角度で出ているのに、回転だけが減っている。これはフェースと球の摩擦の話であって、入射の話ではない。
後半を取り消します。
Omni は球の回転を見ていません。スピンは他の数字から計算された値です。摩擦の話かどうかは、この測定器では決められません。見ていないものについて、その測定器の数字を根拠に理由を断定していました。
数字のほうは残ります。書き出されている他の数字を全部揃えても、2本のあいだには386回転の差が残りました。言えるのは、Omni がこの2本を一貫して別のものとして扱っている、というところまでです。
その差そのものは、18日後にもう一度出ました。同じ2本を同じ部屋で80球打って、条件を揃えたうえで249回転です。前回は386回転でした。理由が決められないところは変わりません。同じ56度2本を、18日後にもう一度打ちましたに書いています。
機能の有無と、画面の有無は、別のこと
測定モードを使うために、柄のある球を買い足しました。使えませんでした。買う判断そのものは、そのとき見えていた画面のとおりです。確かめたら、前提のほうが違っていました。
R10 には動画の機能があります。4年使って、一度も使っていません。課金の壁の向こう側にあるからです。
今回は逆でした。扉はあるのに、向こう側に何もない。
球はそのまま使います。柄があると、転がっていく向きが見えます。測定器のためには、何の役にも立ちません。
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