計測器を4つ、長く使っています。Oura リングが5年半、ガーミンのゴルフウォッチが6年、タニタの体組成計が11年、尿の栄養検査が5年。
それぞれの単独レビューはこちらです。Oura リング5年半/ガーミン Approach 6年/尿の栄養検査5年。
そして4つとも、途中で中身が変わりました。
替えたあと、過去の数字とそのまま並べられたのは1つだけでした。
結論:地続きだったのは、ガーミンだけ
| 計測器 | 買い替え | 過去と比較できるか |
|---|---|---|
| タニタ 体組成計 | RD-901 → RD-804L | × 体重以外は不可 |
| Oura リング | Gen 3 → Gen 4 | × HRVとスコアが変わった |
| 栄養検査(尿) | 評価基準の変更 | × 合格ラインが上がった |
| ガーミン Approach | S62 → S70 | ○ そのまま並べられる |
11年つけて分かったのは、本体の性能より、買い替えたときに過去が残るかのほうが効くということでした。
タニタ:ある日、体脂肪率が2ポイント落ちました
毎朝3時から4時台に測っています。3,031日分、欠損なしで残っています。
その記録に、説明のつかない段差がありました。
| 日付 | 体脂肪率 | 筋肉量 | 体重 |
|---|---|---|---|
| 2022/02/11 | 16.2% | 48.75kg | 61.40kg |
| 2022/02/12 | 16.5% | 48.93kg | 61.80kg |
| 2022/02/13 | 14.2% | 51.28kg | 63.07kg |
| 2022/02/14 | 14.3% | 51.73kg | 63.65kg |
体では起こりません。この日、体組成計を買い替えています。
前後60日の平均で見ると、体脂肪率は3.94ポイント下がり、筋肉量は2.03kg増えていました。いっぽう体重は0.46kgしか動いていません。

体重だけが生き残りました
ここが分かれ目です。体重は「測っている」のに対し、体脂肪率や筋肉量は「推定している」からです。
体組成計は、足裏から微弱な電流を流し、その通りにくさから脂肪の量を計算します。計算式が変われば、同じ体でも違う数字が出ます。
11年分を通して段差を探しましたが、これほどの段差はこの1回だけでした。
Oura:スコアが勝手に10点上がっていました
Oura でも同じことが起きています。
Gen 3 から Gen 4 に替えたあと、HRV の日々の変動幅が 7.0ms から 6.0ms へ、1割ほど縮みました。 安静時心拍では、この変化は起きていません。
もうひとつ。Readiness スコアが2023年の初めに10点近く跳ね上がり、そのまま戻っていません。 同じ時期、睡眠スコアはまったく動いていません。体が良くなったのではなく、算出方法が変わったということです。

同じ世代なら、変わりませんでした
これは重要な手がかりでした。Gen 4 が壊れて同じ Gen 4 に交換したときは、数値が何も変わりませんでした。
つまり個体差ではなく、世代が変わったときだけ数字が動く。 ハードではなく、中の計算が変わっているということです。
【追記】もう1回、断絶があったかもしれません
この記事では Gen 3 から Gen 4 の話を書きましたが、公開後に気づきました。私が最初に使っていたのは、第3世代ですらありませんでした。
データの記録開始は2021年1月13日。Oura Ring 第3世代の発売は2021年11月15日です。最初の10か月は、それ以前の世代で測っていたことになります。
第2世代から第3世代への移行は、アプリが刷新され、サブスク制が導入されたタイミングでもありました。中の計算が変わったなら、ここでも数字は動いているはずです。
実際、2021年8〜9月のHRVは他のどの年の同月よりも高く、10月から11月にかけて他の年と同じ水準に戻っています。ただし体調が良かっただけの可能性も消せず、購入日も残っていないため、断定はできません。
この記事の結論は変わりません。むしろ、Oura の断絶は私が思っていたより多かったということです。
ガーミン:替えても、そのまま並びました
3つのうち、唯一こちらは地続きでした。
S62 で撮った2020年のショットも、S70 で撮った2026年のショットも、同じアプリの中で同じ表に並びます。 2020年の220.9ヤードと2026年の240.5ヤードを比べられるのは、そのおかげです。

ガーミンでも、途中で一度故障による同機種への交換がありました。S62 のGPSが測れなくなり、保証期間内だったので新品になっています。このときも数値の出方は変わりませんでした。 Oura の同世代交換と同じです。
そして S62 から S70 への買い替えは、壊れたからではありません。考えたうえでの機種変更です。 電池の持ち、有機ELの見やすさ、測位方式。どれも比べたうえで選びました。
つまり中身はしっかり変わっています。 画面も測位も別物になりました。それでも、過去のショットはそのまま並びました。
Oura は世代が変わると数値が動き、ガーミンは世代が変わっても動かなかった。「新しくなったから仕方ない」では済まされない差だと思っています。
終売になった機器の場合、この不安はもっと大きくなります。

栄養検査:合格ラインが上がりました
4台目です。こちらは機種の買い替えですらありません。
尿を送って栄養の過不足を調べる検査を、5年で17回受けています。2022年10月の結果にはなかった注記が、2023年2月の結果には付いていました。
「栄養向上基準に基づき高い目標で評価しています」
不足と判定される項目は、4〜8個から9〜13個へ増えました。 体が悪くなったのではなく、評価する側の基準が変わっただけです。
機器を替えなくても、数値は地続きでなくなります。 ここが Oura のスコア改定と同じで、いちばん気づきにくい形でした。

なぜ、ガーミンだけ残ったのか
4つを並べると、理由がはっきりします。
| 計測器 | 数字の作り方 |
|---|---|
| 体組成計 | 電気の通りにくさから推定 |
| Oura(HRV・スコア) | 脈波や体温から推定 |
| ガーミン(ショット) | 打った地点と次の地点の位置を実測 |
ガーミンが記録しているのは、緯度と経度の差です。2020年の1メートルと2026年の1メートルは、同じ1メートルです。
体脂肪率にも、Readiness にも、この保証がありません。メーカーが計算式を改良すれば、過去の自分と別人になります。
そして皮肉なことに、計算式の改良は、たいてい「精度が上がった」という良い変更です。 それでも長く記録している側にとっては、比較できなくなるという損失になります。
買う前に、確認しておくといいこと
私が次に計測器を買うなら、この3つを見ます。
- その数字は、実測か推定か。 推定なら、いつか変わると思っておく
- 生の数値も見られるか。 独自スコアだけの機器は、算出変更で過去が消えます
- 書き出せるか。 アプリの中だけで完結する機器は、いざというとき照合できません
2つ目が効きます。Oura の Readiness も、体組成計の体内年齢も、メーカーが作った合成スコアです。安静時心拍や体重のような生の数値のほうが、長く使えます。
まとめ:長く使うほど、この差が効いてくる
4つの計測器を合計27年分つけてきて、結論はこうです。
買い替えたときに過去が残るかどうかは、買う前にはほとんど話題にならないのに、あとから一番効いてきます。
私の場合、体脂肪率は11年分あるのに比較に使えるのは4年半です。Oura の HRV も、世代をまたいだ比較はできません。
唯一そのまま使えた体重で、実際に答え合わせをしています。

残ったのはガーミンだけでした。だからこのブログのデータ記事は、ほとんどガーミン発になっています。
データは、後から遡って作れません。 そして、地続きでないデータは、長さのわりに使えません。

この記事に出てくる計測器
地続きだったガーミンと、そうでなかった Oura です。


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