弾道測定器を3台並べたら、3台とも補正が掛かっていました

本記事にはプロモーションを含みます。
ガーミンR10とSquare Golf Omniを人工芝の上に並べて置いたところ

練習場で、弾道測定器を3台同時に走らせました。

トップレーサー、ガーミンR10、Square Golf Omni。Omniは打者から見て正面に置きます。R10はボールの後方。トップレーサーは打席の天井にあって、R10と同じ側から球を見ています。

ピッチングウェッジ、7番アイアン、ドライバーで86球打ちました。

3台の置き方。打者を上から見た図。ターゲットは左。Omniは打者から見て正面、ガーミンR10とトップレーサーはどちらもボールの後方

打席と測定器を置く床には段差があったので、古いパターマットを重ねて高さを合わせています。Omniは自作のケースで運びました。

この記事は、3台の数字を突き合わせた話ではありません。突き合わせる前に気づいたことの話です。

目次

スピンの設定に「測定」と「計算」がありました

Omniのアプリに、スピン測定という設定項目があります。「測定」と「計算」の2択です。

計算のほうには、こう書いてあります。

ボールの速度と方向、クラブの軌道を使用してスピンを計算します

測定が動くのは、メーカーが指定した球だけです。Square Golf の純正マーク球2種類と、TaylorMade TP5 / TP5X PIX。この3種類しかありません。

私が使っている球は、そのリストに入っていません。

つまり私の計測は、これまでずっと計算モードで動いていました。スピン量もスピン軸も、他の数字から算出された値です。

その後、リストに載っている球を買って確かめました。Omni に接続すると、この設定は画面から消えます。ここに書いた2択が見えるのは、接続していないときだけでした。接続をスキップすると出てくる設定が、接続すると消えましたに書いています。

ガーミンの記録には、1球ごとに測定値か推定値かが書いてあります

R10の計測データには、スピンについて測定値か推定値かの区別が入っています。1球ごとに。

今回の内訳です。

番手測定値推定値
ドライバー203
7番アイアン1218
ピッチングウェッジ031

ピッチングウェッジは31球すべてが推定値でした。

ガーミンは、測っていないときに測っていないと書いています。

2つの推定は、ピッチングウェッジで1,555回転違いました

同じ球を1球ずつ突き合わせて、2台のスピンを比べました。

番手R10Omni差
ドライバー3,0063,003+3
7番アイアン4,7045,057−353
ピッチングウェッジ5,8157,370−1,555
番手別のスピン量。R10が測定値と書いた球の割合が下がるほど、2台のスピンの差が広がる

ドライバーではほぼ一致しました。ピッチングウェッジでは21%違います。

R10が測定と書いた球の割合と、きれいに逆になっています。

ただし、これを「R10が推定に切り替わったから」と読むことはできません。ピッチングウェッジは、Omniの計算値がいちばん大きく出る番手でもあります。1日のデータでは、どちらが効いているのか分けられません。

書けるのはここまでです。ピッチングウェッジでは、2台ともボールの回転を見ていない。その2つの推定が1,555回転違った。

トップレーサーの初速は、3番手とも7%高く出ていました

3台の初速を、同じ球どうしで比べます。

番手トップレーサーR10Omni差
ピッチングウェッジ39.937.437.0+2.6(+6.9%)
7番アイアン46.543.443.1+3.1(+7.1%)
ドライバー62.557.957.4+4.6(+8.0%)

単位はメートル毎秒。差はトップレーサーとR10のものです。

3台のボール初速。トップレーサーだけが3番手とも7%前後高い

R10とOmniは0.5以内で揃っています。トップレーサーだけが高い。

足し算ではなく、掛け算の形をしています。3番手とも7%前後。

レンジボールの補正でした。練習場の球を高性能球に換算する設定が入っています。設定で切ることもできます。

この補正は、打つ前に決めて、あとから見分けられません

トップレーサーの補正は、打ち始める前の設定で決まります。そして記録のほうには、補正ありだったのかなしだったのかが残りません。

同じことを、少し前にOmniで書きました。キャリー距離調整という設定があること。キャリーの出方を±10%の範囲で動かせる設定です。私の値は0%のままです。

どちらも、出てきた数字に痕跡が残りません。

今回のデータに補正が掛かっていると分かるのは、記録を見たからではありません。覚えているからです。

対策は1つしか思いつきませんでした。計測のたびに、設定画面を1枚撮っておく。

公開済みの記事の根拠が、ここで揺らぎました

以前、56度のウェッジ2本を同じ日に40球ずつ打って比べました。前に使っていたものと、いま使っているもの。スピンが400回転前後違うという結果が出ています。

その記事が前に使っていた56度と、今の56度を、同じ日に40球ずつ打ちましたです。

そのとき、こう書きました。

同じ角度で入って同じ角度で出ているのに、回転だけが減っている。これはフェースと球の摩擦の話であって、入射の話ではない。

その根拠のスピンを、測定器は見ていませんでした。

計算値である以上、この差は他の数字の言い換えにすぎないのかもしれない。そう思って、確かめました。8月19日と21日の計測データ、200球ぶんです。

Omniのスピンを、Omniが書き出している他の数字だけで再現できるか。番手ごとにやってみると、説明できるのは86%から95%でした。残りは説明がつきません。単純な式では再現できない、ということです。

56度2本の差も同じでした。条件づけを増やしていくと、こうなります。

条件づけに入れた数字2本の差
なし−540
ダイナミックロフトとヘッドスピード−435
打点を除く全部−386
打点も含めた全部−216

打点を除いた全部で条件づけても、386回転残りました。打点は、そのクラブに貼ったシールを基準にした数字です。貼り位置が違えば数字も違うので、別のクラブどうしを揃えるのには使えません。

数字の訂正は必要ありませんでした。差は残っています。

撤回するのは、解釈のほうです。測定器が見ていないものについて、測定器の数字を根拠に機序を断定していました。言えるのは、Omniがこの2本を一貫して別のものとして扱う、というところまでです。

もう1つ、あの記事が書いていなかったことも見つかりました。2本はフェース角が1.7度違っています。ダイナミックロフトも入射角も打ち出し角も揃っているので「同じ角度で入って同じ角度で出ている」自体は間違っていませんが、それは打ち出し角に限った話でした。

同じことが、まっすぐ引いてまっすぐ打ったら左に曲がる癖が消えた話にも掛かっています。あちらで見ていたスピン軸も、計算で出た数字でした。

アプリを責める話ではありません。モードの意味も、指定球以外では計算を勧めることも、画面に表示されていました。読んでいなかったのはこちらです。

3つの層は、1台だけの話ではありませんでした

Omniの数字が3つの層でできていることは、前に整理しました。センサーが直接見ている値、そこから計算する値、利用者の設定が掛かる値。

機器計算に切り替わるもの利用者が決める設定
Square Golf Omniスピン(指定球以外)キャリー距離調整 ±10%
ガーミンR10スピン(番手による)なし
トップレーサー—レンジボール補正 約7%

今回わかったのは、この3つの層が3台ともに当てはまることです。測定器のレビューで「この機種はキャリーが◯ヤード出る」と書くことが成立しないのは、1台だけの事情ではありませんでした。

キャリーとランの比をアプローチ80球で測ったときも、キャリーとランはどちらも計算値でした。そのことは、あの記事にも書いてあります。

次は補正を切って、同じことをやります

トップレーサーのレンジボール補正は、設定で切れます。次回は切って測ります。

先に予測を書いておきます。

  1. 初速は、3台が0.5メートル毎秒以内に収まるはず
  2. キャリーは下がるはず。どれだけ下がるかは予測しません
  3. 打ち出し角と左右のズレは変わらないはず

3つ目がいちばん大事です。補正を切っても角度と方向が変わらなければ、補正とは無関係に3台の角度がどう違うかを見られます。

外れたら、外れたと書きます。

追記です。9月20日に、もう一度3台で測りました。補正を切る設定と、1球ごとの記録を残す設定が同時には選べず、補正を切った数字は1球ずつは残せませんでした。補正が掛かったままの初速は、2日ともR10とOmniより7%ほど高く出ています。その話はトップレーサーの初速は、2日とも他の2台より7%高く出ていましたに書いています。

なお、打ち出し角と左右のズレは、この日のデータで先に分かっています。打ち出し角は3台のうちR10だけが2.6度高く、左右のズレも同じR10だけが他の2台と揃いませんでした。打ち出し角は、3台のうち1台だけが2.6度高く出ていましたと同じ30球を、2台は「22球が左」と言い、1台は「10球」と言いましたに書いています。

なお、この日は3連続ラウンドの翌々日で、自分の調子は良くありませんでした。飛距離の絶対値は普段より低く出ています。この記事で使っているのは3台の差だけなので、そこは結論に効きません。

この記事に出てきた2台です。

Omni という測定器そのものの話は、Square Golf Omni を6週間使って分かった、測っているもの・計算しているものにまとめました。

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この記事を書いた人

ゴルフ歴25年、自己ベスト78。2012年からゴルフの上達法をブログに書いてきました。
同時期に読書ノートのブログも運営し、約200冊分の記録を残しています。

現在は弾道測定器3台を使い、本で読んだ理論を実際に測って確かめる作業をしています。

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